アフガニスタン
Afghanistan

事業期間:2001年12月~

活動地:
カブール市、パルワン県、ナンガルハル県

干ばつの被害を受けた国内避難民・帰還民・脆弱な地元の方々への食糧・配布とフード・フォー・ワーク (2023年1月~)

ナンガルハル県では75万人を超える人びとが食糧危機に瀕しています。干ばつによる被害も深刻化しています。
この地域のほとんどの人びとは灌漑用水路を活用し、農作物の栽培で生計を立てていましたが、干ばつが繰り返され、十分な収穫が得られなくなっていました。地域の人びとは灌漑用水路の整備をしたくても、そのために道具を購入する余裕もないため、灌漑用水路の整備は手を付けられないという状況でした。そこでジェンはこの地域で干ばつの被害を受けた国内避難民、帰還民、脆弱なホストコミュニティの中で最も厳しい状況の世帯に2ヶ月分の食糧配布を実施することになりました。
この事業が通常の食糧配布事業と違うところは、配布対象世帯に灌漑用水路の整備に従事できる人がいる場合は、整備作業に従事した対価として食糧を配布するところです。世帯主が女性など、整備作業に従事できる人がいない対象世帯には、通常通り食糧パッケージを配布します。
この事業の目的は、①食糧危機の状況が緩和されること。②灌漑用水路を整備することで中長期的に農作物の生産を増加させること。③地域住民が灌漑用水路の整備技術を身に着けることにより、事業後も自らが維持管理を実施していけるようになることの3点です。

具体的な内容

●地域の状況を熟知した裨益者の代表者を含む裨益者特定委員会で、支援対象者を決定する。
●干ばつの被害を受けた、特に厳しい状況にある世帯に2ヶ月分の食料と物資を提供する。
●灌漑用水路の整備に従事する対価として食料と物資を提供する。

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用水路整備の技術研修の様子

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灌漑用水路の整備

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食糧・物資配布時の様子

事業地

アフガニスタン・ナンガルハル県

支援により改善されること

このプロジェクトでの食糧支援によって、干ばつの被害を受けた脆弱な世帯の食糧危機の状況が緩和されます。地域住民が灌漑用水路を整備することで、中長期的に農作物の生産量を増やしていけるようになります。整備の道具を提供し技術を伝えることで、事業後も自分たちで灌漑用水路を整備することができます。自らが整備できるようになることで、自信にもつながり、ひいては持続可能性の向上も見込めます。

アフガニスタンの支援活動にご協力をお願いいたします

    

クレジットカードで寄付をする
※税制上の優遇措置が受けられます。

ブレッドプラス(Bread+)プロジェクト(2022年5月~)

アフガニスタンは、2021年8月のタリバンによる全土掌握以前から、さまざまな危機に直面してきました。40年以上続く紛争、厳しい干ばつ、鉄砲水や地震などの自然災害、新型コロナウイルスの感染拡大による社会経済的な影響で貧困は深刻化しています。人口の半分以上が深刻な食料不足に直面しています。アフガニスタンはいま人道危機の真っただ中であり、人びとはとくに脆弱な立場にあります。
このBread+プロジェクトの目的は、少年少女の就学率、出席率、子どもの健康と栄養状態を改善することです。
パン製造・配布にあたっては関係者に衛生教育も行います。学校給食というインセンティブを通じて、女子の教育を促進することに重点を置いています。

具体的な内容

●地域のパン屋と提携し、栄養価の高いパンを学校に届ける。
●パンの製造・配布が衛生的に行われるよう、関係者に衛生教育を実施する。
●これにより、就学率・出席率・子どもたちの栄養状態の改善に貢献することを目指す。

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事業地

アフガニスタン・ナンガルハル県

支援により改善されること

このプロジェクトは、子どもたちの栄養状況の改善、パン製造時や配布時に行う衛生教育による参加者の衛生知識の向上や健康状態の改善、地域の女性へのパン製造の職の提供、学校への出席率や就学率向上を実現しています。

持続可能な状況をつくるために

ジェンはアフガニスタンで4つの軸を中心に支援活動を行っています。

①生活基盤の改善(安全な水の確保と衛生環境の改善)

②生計向上につながる支援

③女子教育の促進

④緊急時の支援(食糧支援等)

①から④に関わる支援を通じて、ジェンはアフガニスタンの人びとの生きる力、を支えます。

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※税制上の優遇措置が受けられます。

      

女子学習環境改善事業(ナンガルハル県)

ナンガルハル県ではアフガニスタンの中で最も多くの学校が閉鎖もしくは破壊されました。
65.8%の就学年齢の女子が学校に行けていないのが現状です。この理由としては、女子には教育は不要という考えや、トイレや学校設備が不足している事も挙げられます。
また、設備の欠損により外から学校内部が見えるということが、パルダ(女性が男性の視線にさらされることから守る風習や制度:ヴェールなどもその風習の1つ)という文化を持つ女子生徒たち、保護者や教師たちに不安や不快な思いを抱えさせ、不登校の原因になります。
そこで学校設備や教師の質を向上して安心、安全に学習できる環境を作ります。

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現在は、仮設のテントで授業を行っています。

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この場所に学校を立て、トイレと給水所も建築予定です。

(1)学校施設の整備

6つの学校で校舎、外壁、トイレや貯水槽の整備をします。いずれも女子が通える学校で、高めの壁や清潔なトイレなど、思春期でも安心して教育を受けられる環境を作ります。

(2)衛生知識の向上

生徒だけでなく、教師や学校管理委員会(校長、教師、保護者、長老、地域のリーダー、教育省担当者、高校の場合は生徒代表も含む)を対象に衛生教育を実施します。石鹸を使った手洗いの重要性、身の回りの衛生や新型コロナ対策について知識が実践されるように伝え、子どもたちが健康な状態で学校に通えることを応援します。石鹸、タオルや生理用ナプキンを含んだ衛生キットも配布されます。

(3)教師の質の向上

アフガニスタンの58%の教員が必要最低限の資格をもっていません。授業を計画する方法や教え方などを含めた基礎教育法だけでなく、紛争を目の当たりにした子どもたちのこころのケアをできる様、心理カウンセリングの研修も教師の皆さんに受けていただきます。こうして、心理的ストレスが生活に与える影響や症状を理解し、心理的苦痛を緩和する策も実践できるようにします。

持続可能な状況をつくるために

研修には、学校管理委員会が主体となって、衛生教育と心理カウンセリングの研修を新任教師へ伝授するための計画をたてることも含まれています。これにより、今後も心のケアの方法や衛生知識などを学校から生徒へ、そして地域へ広めていける仕組みとしています。
また、イスラム教の金曜礼拝の場で女子教育の大切さについて話していただき、現地の文化や習慣を尊重しながらも家族やコミュニティの中で女子教育への理解を深めていく事が期待できます。

※本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

水・衛生環境の改善支援(ナンガルハル県)

ナンガルハル県チャパルハル地区で水・衛生環境の改善支援を実施しています。
2019年にアフガニスタン政府が掌握した地域であり、帰還民支援や復興のニーズが最も高い所です。とくに、水・衛生環境の改善が喫緊の課題とされており、住民の45%が衛生的な水を十分に確保することができないといわれています。住民への聞き取り調査でも、近くの小川や浅井戸の必ずしも安全ではない水を飲料水にしていること、3km以上も離れたモスクの井戸まで毎日7回も通っている子どもたちがいることが明らかになりました。
そこで、JENは、チャパルハル地区のグルシャンアバド村を対象に、水・衛生環境の改善支援を9月に開始いたしました。

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車が通る大きな道を渡って、水を汲みに行く子どもたち

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小川の濁った水を汲む子ども

(1)井戸建設と配管整備、維持管理体制の構築

深さ110mの太陽光発電式深井戸を建設し、そこから高低差を利用して20箇所の給水所に連結します。各給水所は、15から20世帯が利用する計画で、いずれの世帯からも500m以内でアクセスできる場所にする予定です。この深井戸の建設により、360世帯(約2500人)の住民たちが、安全な飲料水にアクセスできるようになります。また、給水施設の維持管理を目的とした井戸管理委員会を地域住民20名で組織し、支援終了後も自分たちで給水施設を維持管理するための体制を構築します。

(2)衛生教育の実施

住民たちの水・衛生に関する知識は低く、住民の72%が手洗い用の石鹸を持っていないというデータもあります。新型コロナウィルス感染症拡大にともない、正しい衛生知識がますます重要となってきている今、水・衛生事業に従事した経験のある人材を衛生プロモーターとして地域の方の中から募り、住民への衛生教育の実施と、衛生キットの配布を行います。

持続可能な状況をつくるために

現地に雇用を生み出しながら、井戸建設、持続可能な管理体制の構築、衛生教育を通して、住民たちが安全な飲料水に継続的にアクセスできるよう支援していく予定です。

     

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

子どもたちの笑顔のために

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2005年以降、アフガニスタンパルワン県内の低学年の子どもたちを対象に、おもちゃや文房具を詰めた‘ゆめポッケ’を毎年配布しています。

約40年におよぶ紛争が続いてきたアフガニスタンでは、親が失業中で子どもに満足に文房具を買って持たせることができない家庭が数多くあります。ゆめポッケによって、紛争や対立で傷ついた子どもたちに笑顔が広がることを願っています。

2020年のゆめポッケを受け取った子どもたちの様子

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2020年のゆめポッケ配布については「コロナ禍での今年のゆめポッケ事業」レポートをご覧ください。