1950年代からのエチオピアからの独立戦争、1998年から2000年におこった国境紛争によって100万人以上のエリトリア人が故郷を追われ、その多くはスーダンへと逃れました。2001年5月に結ばれたエリトリア政府、スーダン政府、UNHCRの三者合意に基づいて難民の帰還プロセスが開始されたことを機に、JENは2002年から帰還民の再定住支援を行いました。JENは帰還民の多いエリトリア西部のガシュ・バルカ地域にて、帰還民の中でも特に弱い立場にある女性世帯主に焦点をあて、彼女たちの社会的経済的自立を目指して活動を行いました。4年間、事業を実施した後の調査によって、帰還民特有の問題は解決され地元住民とほとんど差のない生活を営めていることが確認されました。よって「帰還民女性世帯主の自立支援」を達成したと判断し、エリトリアの主体性を尊重してJENは事業を完了いたしました。
まず、帰還民と地元住民の女性世帯主を対象に、プロフィールや既に持っている収入創出のための技術を調査し、ワークショップを通じて彼女たちが現在置かれている状況、自立の必要性を認識し、生活情報を共有できるように働きかけました。これは貴重な意見・情報交換の場となり、帰還民が地域社会へとけ込む一助となりました。
その後、トラクター組合、養鶏組合を立ち上げる事業の実施、除隊した女性兵士たちへの職業訓練を通じて、女性が自らのスキルを活かして持続的な収入創出ができるようサポートいたしました。
エリトリアは独立戦争や国境紛争などの戦争を経験してきましたが、その中で少なからず女性も兵士として武器を取って戦ってきました。和平後のエリトリアにおいて、このような女性を含む兵士の動員解除と社会復帰が課題の一つとなっていました。そこで、JENは、除隊した女性兵士を対象として裁縫・仕立ての職業訓練コースを実施。参加者がその技術を活かして自立していくサポート。裁縫についてほぼ初心者ばかりだった参加者が、裁縫の理論の勉強から、型紙作りやミシンによる実践に熱心に取り組み、2ヶ月のコースによって元兵士の女性20名が裁縫の技術を身につけることができました。
JENが事業を実施していたガシュ・バルカ地域は、土地が肥沃で農業が盛んな地域です。そのため、スーダンからの帰還民の90%以上が、同地域を再定住地に選びました。特にムスリム女性は文化的にサービス業に従事することが困難なため、収入創出の機会が農業などに限られていたことも、女性世帯主の多くがこの地を再定住の地として選んだ一つの理由でもありました。しかし、農業を行う環境としては恵まれていても、帰還民の女性世帯主が収入を得て、家族を養っていくことは容易ではありませんでした。
まずJENは、360名の女性世帯主を対象とする組合を設立し、トラクターの供与を通じた自立支援事業を開始しました。エリトリアでは、政府から帰還の際に農地を供与されているにもかかわらず、トラクターをはじめとする農耕機械の不足等の理由により、女性世帯主はこの土地を十分に活用できていなかったのです。この事業により、女性世帯主は、農繁期に無償でトラクターを使って農地を耕作できるようになりました。農作物を生産・販売することで、食糧を確保すると共に、さらに収入向上を図りました。また、組合員以外の住民に有償で貸し出し、トラクターの維持管理費を調達することで、持続可能な事業となりました。2005年6月からは、エリトリアは農繁期を迎え、耕作が順調に進められました。さらに新しく2地域で同様のプロジェクトを実施し、事業規模を拡大することにより、多くの女性世帯主が農業を通じた収入創出を図れるようなりました。
トラクター事業に加えてニーズが高かったのが養鶏でした。 JENは女性世帯主を参加者とする組合を組織し、養鶏に必要な資機材や鶏の雛等を供与する養鶏事業を開始しました。この事業を通じて、女性世帯主は鶏卵を販売し、収入向上のために積極的に組合活動に参加しました。社会的に弱い立場にあるために家にこもりがちな女性世帯主が積極的に組合活動に参加することになったという意味において、女性世帯主の社会参加を促進する事業でもあったのです。また、養鶏により事業対象地と近隣の村々では、人びとが栄養価の高い卵を安価で購入できるなど、住民の栄養改善にも寄与しました。
さらに、この事業では、単に養鶏に必要な物資を提供するだけでなく、鶏の飼育、鶏舎の維持管理に関する技術訓練も実施しました。2006年には飼料製造施設を開設した養鶏組合も登場しました。JENは、販売と収支管理を含むビジネスマネージメントの能力強化も支援し、女性達自身の力でこの事業を継続的に発展させていけるように働きかけました。
エリトリアでは、政府から帰還の際に農地を供与されているにもかかわらず、トラクターをはじめとする農耕機械の不足等の理由により、女性世帯主はこの土地を十分に活用できていませんでした。そこで、JENは360名の女性世帯主を対象とする組合を設立し、トラクターの供与を通じた自立支援事業を開始しました。この事業により、女性世帯主は、農繁期に無償でトラクターを使って農地を耕作できるようになりました。農作物を生産・販売することで、食糧を確保すると共に、さらに収入向上を図りました。また、組合員以外の住民に有償で貸し出し、トラクターの維持管理費を調達することで、持続可能な事業になるよう考慮してきたのです。
2005年6月よりエリトリアは農繁期を迎え、耕作が順調に進められました。さらに新しく2地域で同様のプロジェクトを実施し、事業規模を拡大することにより、多くの女性世帯主が農業を通じた収入創出を図れるようなりました。
ガシュ・バルカ地域において、トラクター事業に加えてニーズが高かったのが養鶏でした。JENは、トラクター事業と同様、女性世帯主を参加者とする組合を組織し、養鶏に必要な資機材や鶏の雛等を供与する養鶏事業を開始しました。この事業を通じて、女性世帯主は鶏卵を販売し、収入向上のために積極的に組合活動に参加しました。社会的に弱い立場にあるために家にこもりがちな女性世帯主が積極的に組合活動に参加することになったという意味において、女性世帯主の社会参加を促進する事業でもあったのです。
また、この事業は単に養鶏に必要な物資を提供するだけでなく、鶏の飼育、鶏舎の維持管理に関する技術訓練も実施しました。さらに、販売と収支管理を含むビジネスマネージメントの能力強化も支援し、女性達自身の力でこの事業を継続的に発展させていけるように働きかけました。
トラクター事業や養鶏事業の計画立案に先立って、事業対象者の生活状況やニーズを明らかにするために、ガシュ・バルカ地域の女性世帯主 900名にインタビューを行い、また、参加型農村調査手法を用いたワークショップを300名の女性世帯主を対象に実施しました。このプロジェクトの成果が、その後の収入創出活動に結びついていきました。
JENは独立行政法人国際協力機構(JICA)のプロジェクトとして、女性除隊兵士のための職業訓練(裁縫コース)を実施しました。裁縫について女性除隊兵士のほとんどは初心者でしたが、理論の勉強から、型紙作りやミシンによる実践に熱心に取り組みました。その結果、2ヶ月のコース後、20名の女性が裁縫技術を身につけることができました。
国名 | エリトリア国( State of Eritrea ) |
首都 | アスマラ |
人口 | 525万人(2010年:世銀) |
面積 | 11万7,600km2 |
人種・民族 | ティグライ、アファール族など9民族 |
言語 | ティグリニャ語、アラビア語、諸民族語 |
宗教 | キリスト教、イスラム教 他 |