事業開始年:2021年〜
現在の活動地:
キリス県、カフラマンマラシュ県、
シャンルウルファ県、北西シリア・サルカン市
被害の大きいカフラマンマラシュ県、シャンルウルファ県で、被災した人びとに食糧(累計12,565人)、寝具・衛生用品等(累計7,016人)を配付しました。両県は、シリア国境と比較的近い事もあり、地震以前からシリアの人びとが多く住む地域です。
食べ物を提供し、寒い日々が続き、暖房施設が十分でない環境での避難生活をサポートするため、毛布やマットレスなどの寝具を配布。男女それぞれの衛生キットも配布し、人々の避難生活中、懸念が高まる病気に対する脆弱性を緩和する緊急支援を行いました。
避難生活を余儀なくされている人々が、安全な場所で命を繋ぎ、少しでも元の生活に近づけるよう、サポートいたしました。
トルコ南東部の地震で被災した人びとに食糧、急務とされる非食糧物資を配布しました(食糧:累計12,565人、寝具・衛生用品等:累計7,016人)。これにより、避難生活の冬を乗り切るための、食糧危機の状況と衛生環境が改善しました。
シリア北西部を襲った地震は、同地域の水を含むインフラに広範な被害をもたらしました。多くの家族が避難し、仮設キャンプで生活しています。清潔な水と適切な衛生施設にアクセスできない状況で、仮設キャンプでは、利用可能なトイレ1つあたりの人数は150人以上と推定されていました。またこの地域はもともとすでに厳しい環境であり、トルコ・シリア大地震が状況をさらに悪化させました。そのため、ジェンではシリアの仮設キャンプで水衛生支援を実施しました。シリアの仮設キャンプで、手洗い場を備えたトイレやシャワー室を備えた衛生施設を10基建設しました。
1,800人以上の人びとがこれらの衛生施設による便益を受けられるようになり、人びとの暮らしの改善に繋がっています。
トルコのキリス県では、新型コロナの影響による失業や収入減に苦しむシリア難民とホストコミュニティの人びとに、契約先の店舗で食料品が購入できるバウチャーを配布し、生活を繋ぐ食糧支援を行っています。キリス県は、トルコの南東部に位置しており、シリアの国境に面しています。そのため、シリアから紛争や困窮した状況を逃れてキリス県に来た人々の多くは、難民として暮らしています。難民の方々に最低賃金よりも低い賃金での労働が強いられる中、新型コロナの影響を受けて更に生活が厳しくなりました。そんな中、少しでも彼らの生活を繋ぐ事に貢献できるよう、食料バウチャーを配布して、生活の安定を図ります。
緊急食糧支援を行うキリス県の町並み
キリス県に住むシリア難民と脆弱な立場にあるホストコミュニティの人びとは、日々の生活を繋ぐために食糧を必要としています。そこで、本事業では、各家庭の好みや必要性に合わせて食料品を自ら調達できる食料バウチャーを約2,500世帯に配布し、脆弱な立場にある方々の生活をサポートします。今回配布する食料バウチャーはプリペイドカード式で、磁気カードに世帯人数に合わせて決められた金額をチャージして、各家庭に配布されます。期間内であれば何度でも利用することができ、アルコールやたばこ等は利用対象外になります。
トルコでは、2011年のシリア危機以降、370万人以上のシリア難民を受け入れてきました。急激な人口の増加により、国に負担がかかる中、難民の方々にとって就労ビザを得る事は大変難しく、労働が許されていない事がほとんどです。そんな中、一般的に、就労ビザを持たない難民の方々は、インフォーマルセクター(非公式的な形)で仕事をしており、最低賃金以下で働く事を強いられ、いつ仕事を失ってもおかしくない状況にあります。
新型コロナの感染拡大後、この地域に住む難民と、急激な難民の受け入れにより負担のかかったホストコミュニティの脆弱な人々は、職を失う、収入が減るなどで、生活が苦しくなり、食事の回数を減らしたり、栄養に偏りのある限られた食材を選択したりして、生活を繋いでいます。更に、トルコでは2021年より急激な物価の高騰が続いており、困窮した状況に追い打ちをかけています。
契約販売店で買い物をする女性
将来的に生計を立てていけるようにすることを念頭に、まずは緊急支援として食糧に困る人びとの生活を繋ぐ支援を行います。モニタリングを含む現地での活動を通じて、中長期的な更なるニーズを把握し、生計や能力育成、心理社会的支援等を検討していきたいです。