【熊本地震から半年】事務局長代行・黒木明日丘からのメッセージ

お知らせ|2016.10.14

2016年4月14日に震度7を記録した地震以降、熊本県や大分県などで相次いで大きな地震が発生しました。それから半年が経ちます。震災によって亡くなられた方々、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

震災直後、4月18日から1週間程、私自身も熊本に入りました。あらゆる駐車場や空きスペースは車で避難されている方々で埋まり、指定避難所も指定外避難所にも多くの方々が避難され、底冷えする中で段ボールを敷いて寝起きされていました。混とんとした状況下で、行政、医療機関、急きょ避難所となった介護施設の職員の方々など、ご自身も被災されている中、不眠不休で対応されている姿がありました。その姿を目の当たりにし、緊急支援のプロとして自分たちに何ができるのか、何をすべきか自問自答していました。

そのような中で少しずつ、毎日一歩一歩、ご自身も被災しつつ支援する側に立っている皆さん、不自由な生活を強いられながら気丈に生きる皆さんが、この半年かけて進んでこられた復旧・復興への一つひとつの取り組みに、本当に頭が下がる思いです。
JENも、震災直後より国内外の支援者の皆様からあたたかいご寄付をお預かりしました。そのお陰で、各地で取り残されがちな被災者の方々に迅速かつ柔軟に、物資の配布や入浴サービス、瓦礫撤去の支援などを届けさせて頂くことができました。

ピーク時には約18万人が避難を余儀なくされていましたが、半年が経った現在、すべての避難所は閉鎖され、仮設住宅の建設も進み、入居も始まっています。

しかし災害の影響は被災された方々一人ひとりの生活に大きな影響を及ぼしています。その多くが短期間で解決するものではなく、長期的な取り組みを必要としています。長引く避難生活による心身の不調、再開のめどが立たない生業、失業、未だ先の見えない住まいの確保、コミュニティの分断など、です。

復興は、単にインフラや住居などの整備で解決されるものではありません。災害そのものによる被害だけでなく、元々地域に存在した課題が災害によってより顕著なものとなってあらわれます。こうした課題に取り組むには、長期的な展望のもと、将来に渡ってコミュニティが活力をもち続けられるような仕組みが必要です。

先日、東日本大震災で支援させて頂いた地域の方にお話しをうかがいました。その方は、「震災直後はあまりに辛くて涙も出なかった。震災が5年経ってやっと涙を流せるようになった」、と語ってくださいました。

震災による復興は、長期に渡って必要となります。私たちJENに今できること、それは、一人でも多く被災された方々が、悲しみを乗り越えふたたび安心して自らの力で歩む「ふつうの暮らし」を取り戻すためのお手伝いです。JENは、これからも人びとの心を支えになる支援活動を続けていきます。

 

事務局長代行・黒木明日丘

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