突然ですが、漁師さんが持っているこの道具、何を取るための仕掛けかわかりますか?
【ロープの先に、プラスチック製の筒と、おもりがついています】
写真ではわかりませんが、プラスチックの筒はふたが円錐形になっていて、一度筒の中に入った獲物が、外に出ることが出来ない構造になっています。素材は、かつては竹筒が用いられていたそうです。
これは、いまが旬の「あなご」を取るための仕掛け、あなご筒(どう)です。
JENでは生業回復支援として、各漁協を通じてニーズを聞き取り、必要な資材の支援を行っています。表浜地区漁協から要望があがったのが、このアナゴ漁用のロープでした。
写真は漁協への資材搬入の様子です。操業規模に合わせて資材が配分されました。そしてそれぞれの家で筒と組み合わせて仕掛けを作り、漁に使用します。
【表浜アナゴ部会は47名。実際に稼働しているのは21名とのこと。】
こちらは、実際の漁に出る前の様子。仕掛けがきれいに船上に並べられています。
写真の船(8トン)の場合、仕掛けが全部で1200本。4〜5人で行うそうです。仕掛けの総延長は20kmにもなります。
天気に依りますが、だいたい月に15〜17回くらい漁を行うそうです。
【船を失った方は、仲間の船に乗ります】
アナゴ部会の大澤さんは、少しおどけて、こう言います。
「震災の後と言っても、海でとれるものは変わらないし、今までやってきたことに誇りを持ってるから、まずはそれを取り戻すこと。それが第一。震災を受けても、それが理由でやめようとは思わなかったね。それを言うなら、地震の前から毎日、船の上ではつらい、やめたい、って思ってるよ。漁師だって船酔いするんだよ。我慢してるだけ(笑)」
震災前の情況を取り戻す―。表浜がアナゴの全国的な産地であることは、あまり知られていません。かつては日本一、現在でも東日本一の漁獲高を誇っているそうです。漁の最盛期は7月〜9月ですが、アナゴ漁は12月頃まで続きます。
「俺は船が残ったから、仕事をやれる状況にあるから。仕事をすることで、あとから再開する人に“まだやれるんだ”っていうところを見せるのが、船が残った者の責任なのかな、と思ってる。」
【あなご。漁獲高、市価ともに例年並み、とのことです】
【アナゴ部会のみなさんと】
アナゴ漁は再開した、とは言っても、漁港の岸壁や住まいの再建、流出した船の確保、浜の復旧、復興にはまだまだ時間がかかります。JENは浜の人びととともに、これからも活動を続けてまいります。
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