JENでは昨年10月から、浜の人たちに漁網材料を配布し漁網を編んでいただく、そして完成した漁網を津波により漁具が流出した漁師さんに使っていただく、という収入創出事業を、4つの地区(表浜地区、東浜地区、裏浜地区、石巻地区)で始めました。
6月29日、表浜地区での漁網支援をご支援いただいている雑誌「STORY」「美ST」の皆様とともに、視察に行ってきました。
今回お伺いした表浜地区給分浜(キュウブンハマ)の高橋さんは、自分のことを“小漁師” と呼びます。“小漁師”とは、季節ごとの魚や磯もの(貝、海藻など)をさまざまな仕掛けや素潜りで採り、生計を立てる漁師さんです。
シャコエビ漁は、網の巻き上げ機 のついた小舟で行います。
港から10分ほど船を走らせると、旗が立っています。この旗が仕掛けの目印です。
【巻き上げながら、かかった獲物を外していきます】
【船上で作業をする高橋さん】
【網から外されたシャコ】
高橋さんは、奥さんと息子さんの3人で漁を行っています。奥さんの照代さんは言います。
「震災後は私も、とりあえずラーメン屋さんでアルバイトをしていたんだけど、漁網づくりをきっかけに、こうやって海の仕事に戻るようになったの。そうするとやっぱり楽しいし、やりがいがあるの。もちろん大変なこともたくさんあるけど、ね。」
【高橋さんご夫婦のお話に耳を傾ける「STORY」「美ST」の皆さまとJENスタッフ】
「これからは家族も一緒にやるし、養殖にも挑戦してみようか、とも考えてるんだ。」
当初、震災でなにもかも失ったことから、“漁師をやめてもいいんだよ”と息子さんに伝えたそうです。しかし息子さんは、“俺は漁師しかできないから。漁師で仕事をすることを覚えてしまったから。漁師をやるよ”と、漁師を続ける道を選ん だのだそうです。
漁港のかさ上げと整備、流出した船や漁具の調達、仮設住宅から高台への移転…、未解決の課題はまだまだ山積していますが、できるところから取り組む浜の人びとの力強さを感じました。
JENはこれからも、復興に向かって進んでいく人びととともに、歩み続けます。
引き続きJENの活動への支援をお願いいたします。