宮城県は牡蠣養殖の全国でも有名な産地ですが、毎年春から夏にかけて、牡鹿半島の東浜や表浜を中心に、シャコエビ漁が行われます。お寿司のネタでおなじみ、あのシャコです。
しかし、シャコ漁のための網は、そのほとんどが津波によって流されてしまいました。さらに震災後、漁網は全国的な品薄状態が続いており、新たに購入することもままならないような状況でした。
そこでJENでは昨年10月から、浜の人たちに網の材料を提供して編んでいただき、編みあがった網を漁師さんに使ってもらう、という収入創出事業を始めました。
完成した漁網はいったんJENで買い取り、その後、各漁協支部を通じて漁師さんたちに公平に分配されます。
こうすることで、漁網を編む人と、それを使って漁を行う人、それぞれに収入をもたらすことが出来るのです。さらに、ベテラン漁師さんが若い人たちに編み方を教えながら作業をすることで、漁網を編む技術の伝承、世代間の交流などの効果も生まれます。
シャコエビは活魚として生きたまま、市場へ出荷しますが、それに欠かせない“スカイタンク”の支援も行っています。スカイタンク支援については、こちら(5月の支援速報 お〜い、スカイタンクが来たぞ!をご覧ください)
例年は4月中ごろから漁期に入るのですが、今年は海水温が低かったため、5月中旬頃から本格的な漁が始まりました。
6月21日朝、漁師さんから、「シャコエビがいっぱい揚がったよ!」という一報が入り、さっそく様子を確認してきました。
【水揚げされたばかりのシャコエビ】
【一つ一つ、網から外していきます。】
シャコの市場価格は、今年は例年の2〜3倍 となっています。この日は大漁で、一軒あたり50kg前後の水揚げがあったそうです。主な収入源である養殖漁業は、実際に商品として出荷するまでに何年もかかります。すぐに“出荷できる”“収入になる”ことに、漁師さんたちは手応えを感じている様子でした。
【“仕事ができる”ことが本当にありがたい】
「100反以上あった網がすべて流されてしまった」という写真の狐崎浜の平塚さんご夫婦は、「網の支援のおかげで、こうして“漁ができる”ことが本当にありがたいの」と話してくださいました。
シャコエビ漁網の支援は、今回取材した東浜のほか、表浜でも行っています。
次回は第二弾として、表浜を舞台に、船の上から、実際の漁の様子をお伝えする予定です。
【台風一過。浜には青空が広がっていました】
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