東北支援速報

パノス・カラン ピアノコンサートin宮城①(3/22〜23)

2012.04.05

【3/22 1日目 荻浜小学校/HANA荘〜石巻市】

ギリシャ出身であるパノス・カランさんは、震災後、被災者へ音楽のちからを届けようと自ら電子ピアノを携えて、去年8月に初来日し、避難所などでコンサートを開催しました。震災より1年を迎え再来日し、哀悼の意を込め音楽を通じて元気を届けようと、宮城県では石巻市や気仙沼市などの各地を回ってピアノコンサートを行いました。

宮城県での最初のコンサートは、牡鹿半島にある荻浜小学校で開催されました。前日の卒業式の余韻が残る体育館を会場として、先生、生徒、地域の方々が一緒に音楽を楽しもうと集まりました。

まず始めに、パノスさんから日本語で、自己紹介と被災地の復興への思いが伝わる挨拶がありました。

その後、チャイコフスキー、ショパン、ヘンデルやギリシャの音楽、最後は日本の曲“さくらさくら”など、計7曲を演奏し、会場は癒しの空間へと満たされました。

【荻浜小学校にて7人の在校生たちと】

演奏が終わると、思わず立ち上がって拍手をする方もおられ、パノスさんはもう一曲演奏してくれました。

【拍手喝采を浴びるパノスさん】

地域の皆さんや諸先生がたは暖かくパノスさんを迎えてくれ、最後は記念撮影をして皆さん素敵な笑顔で締めくくりました。

続いて、鹿妻(かづま)地区にあるコミュニティカフェHANA(はな)荘(そう)へと移動し、本日2度目のコンサートです。すでに子どもたちでにぎわっていて、演奏会の前にちょっとしたピアノ教室が開かれました。

【興味深々の子どもたちとピアノ教室】

パノスさんは、子どもたちに囲まれ、ピアノの弾き方を教えていました。子どもたちのまなざしは真剣そのもの。見ている側が、ついつい微笑んでしまいます。

【陽だまりの演奏会】

暖かい午後の日差しの中、コンサートも和やかなムードで終了しました。音楽と共に子どもたちの笑顔にも癒されました。

【3/23 2日目 仮設住宅集会所2か所〜石巻市】

2日目のコンサートは石巻市にある仮設住宅集会所2か所にて行われました。会場には、音楽の調べに誘われて、続々と住民の方が集まってきたり、仮設の巡回を終えたナースさんも訪れてくれました。

【たくさん訪れた住民の方々】

「こういう音楽のコンサートを開いてもらって、すごく、心が癒されて良かったぁ」

「異国の方が、異国の日本の曲“さくらさくら”を弾いてくれて、すごく感激しました」

と感想もいただき、「アンコール、アンコール」と皆さんの拍手がなかなか鳴りやみません。

急きょ、初めて楽譜を見ながら“荒城の月”を演奏していただき、「春〜こうろうの〜花のえん〜」と、皆さん合唱し会場は一体感につつまれ、感激で涙を流している方もいました。「震災で亡くなった夫が、クラシックが好きでよく家で音楽が流れてたんです。CDも流されてしまって、聴くこともできなかったけど、こうやって生のピアノ演奏を聴くことができて、すごくうれしいっ。全部、聞いたことのある曲でした」と。懐かしそうに話していただきました。

午後は他の仮設集会所にて本日2度目のコンサートです。集会所の前にはすでに何人か並んで待っていました。こちらでも皆さん熱心に聴いて行かれ、コンサート終了後も「トルコ行進曲」等のリクエストに即興で答えていただきました。その後、握手や写真撮影などをし、どこに行ってもパノスさんは大人気でした。

特に女性からは「年齢はいくつですか?結婚してるの?恋人は?イケメンですね〜」と興味津々の質問などが飛び交い、和やかなムードでした。

パノスさんからは、「言葉は通じなくても音楽でみんなの心は通じ合える。そして、今この場所でまさにそれが起きている。そのことがとても意味がありうれしいことです」と。

明日、パノスさんは気仙沼市へと向かいます。

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