3月の支援速報でご紹介した岩手県の宮古社会福祉協議会が実施する「しおかぜキッチン」をJENは引き続き支援させて頂いています。
7人にひとりのこどもが貧困の日本。特にシングルマザー世帯の貧困率は50%を超えます。
こどもたちが夢をあきらめなくてもいいように、親御さんが困難をひとりでかかえこまなくてもいいように-包容力のある地域づくりの入り口として、「しおかぜキッチン」は毎月、ひとり親、そのこどもたちとボランティア、そして宮古社会福祉協議会のスタッフが集まり、いっしょにご飯をつくる、食べる、楽しい時を過ごす、そして時に困りごとの相談にのる場になっています。
毎月公民館の調理室と和室を借りて開催していますが、8月は夏休みスペシャル版として、かねてより子どもたちからリクエストのあった、野外バーベキューを実施。
あいにくの雨でしたが、みんなで楽しい時を過ごしました。
【スタッフ・ボランティアの皆さんと参加者のママたちがバーベキューのおにぎりを作っています】
【バーベキューの始まりです!おいしそうなお肉にとうもろこし、おにぎりに焼きそばもありました!】
【帰り際も、子どもたちは、まだまだ遊びたい様子で、スタッフやボランティアの大人たちと全力で遊んでいました♪】
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入念に調査し、何度も関係者と話し合ったうえで計画した事業。
それでも予想していなかったトラブル起きたり、逆におもがけない効果が表れたりすることがあります。
事業実施の責任者は、そのような兆候をしっかりととらえ、事業の効果を最大限にして、対象地域がよりよくなるようにする義務を負っています。
そのために重要なのが「モニタリング」です。「モニタリング=観察」は文字通り、事業実施中に客観的に事業を観察することです。
モニタリングで得られた結果をもとに、活動を適宜適切に改善したり変更したりすることで、よりよい結果がうまれます。
2017年7月5日、JENの主催で盛岡にて、プロジェクト・サイクルマネジメント (PCM)の手法に基づくモニタリングの研修を実施しました。
4月に開始した「計画編」に続く第二弾で、東北で、ひとり親家庭の支援、中高生や若手女性による地域づくり支援などを行うJENのパートナー団体とその関係者約15人が参加しました。
講師の (特活) PCM Tokyo 代表の三好 崇弘氏より、モニタリングで成否を測る「指標」は具体的で、かつ事業実施や参加者に過度な負担をかけない方法を考えること欠かせないが強調されました。
そして、それ以前に重要なことが、事業の設計が、論理的にきちんとなされているかが重要であり、
それができていないとモニタリング指標の設定自体が的外れになってしまうことが伝えられました。
JENのパートナー団体の方々は既に、しっかりとした事業計画をつくり、モニタリグに取り組みながら、事業の成果をあげていますが、今回の研修であらためて自らの経験をPCMの枠組みにあてはめてブラッシュアップすることができました。
参加者からは、
「関係者が多い事業だからこそ、モニタリング結果の共有をきちんとしていくことが重要だと思った」。
「今回の研修でさらに考えが整理された。すぐに事業の改善に活かしていきたい」。
といったコメントが寄せられました。
引き続き、JENはパートナー団体と共に歩みながら、よりインパクトの出せる事業づくりをお手伝いして参ります。
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前回に引き続き、今回も男の介護教室の話題です。
宮城県石巻市中心街から車で1時間、そこからさらにフェリーで20分。牡鹿半島の西端に位置する網地島(あじしま)は、宮城県随一の透明度をほこるビーチと豊かな漁場をもつ人口400人の島です。
【船着き場から会場まで移動するスタッフ】
かつては、遠洋漁業の基地としてにぎわった島の現在の高齢化率は70%です。
人生最後のときを住み慣れた島で暮らしたい人が多く、介護施設等の社会資源が限られた島では、住民同士の助け合いが鍵となります。
島の男性の多くの生き甲斐と人間関係、そして趣味は「仕事」に集約されています。裏をかえせば思うように動けなくなったとき、漁に出られなくなったときに、孤立してしまう傾向があります。
「もしものとき」にどうしたらよいのか知識があること、相談できるひと、助け合う仲間がいること。そして、そうして支え合う関係が、普段のときから男性の人生を豊かにしていくことが重要であると、地域包括ケアシステムの構築の一端を担う網小医院と、牡鹿地域包括支援センターが考ました。
そこで、JENのパートナー「男の介護教室」とともに、網地島ではじめての男の介護教室を2017年6月22日に開催しました。
【教室前の打ち合わせ】
島の端と端にあるふたつの集落の真ん中に建てられたかつての小学校をリフォームした網小医院の集会室が今回の男の介護教室の会場です。
牡鹿半島から、食材と調理器具をもってわたった男の介護教室のスタッフが朝早くから準備した会場に、60代から90代の男性が到着します。
栄養士による講義に続き、早速調理開始。缶詰や冷凍食品を使いながら、栄養バランスの良い料理を男性の参加者がつくります。皆さん、包丁さばきがとても鮮やか。
島では中学校を卒業するとほとんどの男子が遠洋漁業の船にのり、最初の2年間は厨房で大人数の料理をつくっていたとのこと。あっという間に料理ができあがり、スタッフと参加者の方々の間で、船に乗っていた頃の話、島の生活などの話が盛り上がります。
食事のあとは、河瀬歯科医師による、歯と健康のお話し。口の健康を保つことがいかに健康長寿にとって大事なのかを、ときどき会場から笑いをとりながら、お話をされました。
あっという間の3時間。
参加者の方々からは
「昔の青年団みたいで楽しかった」
「みんなで食べるとおいしい」
「普段話さない人とも話せた」
次回も来てくださいますか、と聞いたら、大半の方が手をあげてくださいました。
政府がすすめる「地域包括ケアシステム」は住み慣れた地域で、最後のときまで幸せに暮らすビジョンを掲げ、そこで地域の力である「互助」が重要な要素です。
網地島の男の介護教室の開催は、これからの網地島、そして高齢化がすすむ日本各地の地域のありように対して重要な示唆を与えてくれました。
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みなさんは「介護している人」と聞いてどんな人を思い浮かべますか?
「お嫁さん(子の配偶者)」?
「ヘルパー」?
「女性」?
実は介護者で一番多いのは、上記いずれでもなく、同居する配偶者(26.2%)。それに同居する子(21.8%)が続きます。
介護者のうち、男性が占める割合は3人に一人です。
東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市では介護認定率は震災前の16.1%(2011年2月)から3年後には、1.3倍の19.0%に上昇しました。
JENは、医療と介護福祉の専門家で構成される任意団体「男の介護教室」とパートナーシップを結び、男性介護者の支援をしています。「男の介護教室」は限られた家事の経験しかなく、孤立しがちな男性介護者のために、介護教室を開催するために震災後に立ち上げられました。
月に1回開催される「教室」は毎回30人ほどの参加者を迎え大盛況。ケアマネージャーが丁寧に男性介護者の方に声をかけ足を運んでもらい、参加者の声をききながらニーズに合ったプログラムを提供しています。教室では介護の基礎知識、技術の習得はもちろん、参加者同士が互いに日頃の悩みなどを相談できる環境作りや、専門職や医療従事者とのネットワークづくりを心がけています。
今までの主なプログラムは以下の通り。
今年は石巻の「男の介護教室」の経験と学びを東北の介護福祉や医療の専門家と共有するための、9月に宮城沿岸でシンポジウムを予定しています。
詳細決まりましたらお知らせします。
・介護食の作り方
・簡単料理の作り方(パッククッキング、レトルトを使用した料理等)
・摂食嚥下(せっしょくえんげ)に関する勉強会
・口腔ケアについての勉強会
・熱中症とその対策についての勉強会
・インフルエンザ、胃腸炎の予防と対応についての勉強会
・認知症についての勉強会
・褥瘡(じょくそう/とこずれ)予防についての勉強会
・救急救命研修
・介護技術についての勉強会(おむつ交換、食事介助、移乗等)
・介護者の健康づくり
・介護者のストレス軽減のための陶芸教室
・参加者の意見交換、参加者同士の親睦を図る目的のグループワーク
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2017年4月に、JEN主催による「プロジェクトサイクル・マネジメント」の研修を実施しました。JENの東北事業のパートナーや、その関係団体の地域の復興に携わる関係団体の方々27人が参加した熱い3日間でした。
【まずは、自己紹介からスタートです】
プロジェクトサイクル・マネジメントとはプロジェクトの計画・実施・評価という一連のサイクルを「プロジェクト・デザイン・マトリックス(PDM)」と呼ばれるプロジェクト概要表を用いて運営・管理する方法です。今回の研修では、上記サイクルの「計画」段階で用いられる手法について、講義と参加型演習を行ないました。
【参加者同士でディスカッション中です】
【アイデアがたくさんでました】
講師のPCM Tokyoの代表、三好崇弘先生が作成した架空のさびれた商店街の事例から、この商店街の立て直しのプロジェクトを4つのグループに分かれて計画しました。
関係者分析、問題分析、目的分析、プロジェクトの選択、ログフレームづくりといった段階を経て、4グループともそれぞれ違ったプロジェクトに行きつきました。
3日目は各自の事業のログフレームに落とし込む作業をしました。
【参加者のみなさんで演習の合間に体操です】
参加者が現場に戻って事業を推進するにあたって大きな力となった研修でした。
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