東北支援速報

みんなでお花、植えませんか?

2012.02.23

去年の10月から11月にかけて、石巻市内の数か所の仮設住宅で、プランターに「ビオラの花苗」と「チューリップの球根」を植えました。今回の花植えは、資材となるプランター・土・花苗などは支援者の皆様と(株)フェリシモ様からのご協力を得て実現しました。

 

仮設住宅で活動をする場合、一番大切なのが「事前の周知活動」です。1週間前には、各戸を廻って「みんなでお花植えっぺす(植えましょう)」というチラシを配布し、参加の呼びかけを行いました。苗や球根の調達にご協力をくださった地元種苗店の店長さんが、JENスタッフへ苗の植え方や球根の管理の仕方を教えてくれました。

開催時間が近づくと入居者の皆さんは続々と集まってこられ、JENスタッフが、花の植え方の説明をしました。
「チューリップは、寒さにあたらないと、目を覚まさないんです」
「今回はプランターが浅いので、地植えより浅めに植えます。そうしないと、じゅうぶんに根を張ることが出来ません」
「へー、知らなかった!」

さあ、いよいよ作業開始です。
「どの色にするか迷っちゃうわ」
ビオラは好きな花の色を選べますが、チューリップは球根なので何色が咲くのかは、あとからのお楽しみです。和気あいあいと作業が進むにつれ、皆さんはどんどんと夢中になっていきました。

残念ながら用事で参加できなかったご家庭のプランターにも、他の入居者さんが代わりに植えてくださり、ご本人にはプランターの設置とチラシの投函にてお知らせしました。全戸分の花植えも終了し、集会所の周りにも置きました。そして、たくさんのプランターには、冬の間はビオラが、春になればチューリップが団地に彩りを添えてくれるでしょう。

花を植えた後は、集会所にてみんなで恒例の”お茶っこ飲み”。
「半年ぶりに土に触ったわ」
「なんだか、ここちよい疲れだね」
みなさん、いいリフレッシュになったようです。おつかれさまでした!

後日、入居者のかたから、お礼のお電話をいただきました。
「帰ったらプランターが置いてあって驚きました。自分は一人暮らしなので、心が温かくなりました。ありがとうございます」
「JENが送ってくれたプランターを受けとりました。ちょうど、なにかお花を飾りたいと思っていたところでした。ありがとうございました」

このような声をいただくと、私たちJENスタッフもうれしくなります。
色とりどりのチューリップが咲く頃には、また皆さんの素敵な笑顔にも会えることでしょう。JENは、皆さんと一緒に楽しさの輪をつなげるべく、心のケアとコミュニティ活動の支援を今後も行っていきます。

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【コミュニティ再建】【心のケア】HANA荘 鹿妻ひまわり会の集い

2012.02.23

鹿妻地区にあるHANA荘にて、懐かしい顔ぶれの集いが開かれました。集まったのは「鹿妻ひまわり会」のメンバー16名でした。

鹿妻ひまわり会のメンバー

震災前には「鹿妻すみれ会」と称して、鹿妻地区の70歳以上の女性のメンバーが40〜50名ぐらいで結成していたそうです。健康だけれども、一人暮らしで、なかなか外にでる機会のない方のために、一緒に集う場を設けようと集まった会です。その頃は、会員のほかに50歳代の15〜20名の方にもお手伝いしてもらい、町内会の支援もいただき運営していたそうです。

震災後、みんな散り散りになったけど、徐々にもどってきた方や、もともといた方と一緒に以前のメンバーで再結成したのが今回集まった「鹿妻ひまわり会」。以前のような人数にはなりませんが、顔なじみの会はなんだかとても賑やかでした。

まず、会長さんの挨拶より始まり、石巻市保健師さんから「手洗いとうがいの仕方」「マスクの必要性」の話があり、皆さん聞き入っていました。

(保健師さんから手洗い方法を教わる)

続いて、牛乳パックで作ったボールを転がして、点数を競うゲームで盛り上がり、そのあとは、お茶っこをのみながら気の合う仲間とのおしゃべりに夢中の様子でした。

(ボールを持って投げる瞬間)

皆さんに配られた「ボケない小唄」と「ボケます小唄」の歌詞に沿って、アカペラで手拍子をしながらの合唱が始まりました。次々といろいろな歌が飛び出し、踊りを踊る会員の方もおられました。皆さん、本当に生き生きとして楽しそうです。

(歌と踊りで盛り上がります)

「また、次回もここで集いましょう」とHANA荘のスケジュール表に次回の予約をいれて行かれました。近くにこんなに素敵な場所があって、皆さん大満足の様子でした。

HANA荘には、今まで子どもやお母さんたちの集いが多くありましたが、今回「鹿妻ひまわり会」のような年配の方々にもご利用いただきました。こんな風に年齢を問わず、多くの方々の憩いの場所として、コミュニティ再建をサポートしていきます。

まだまだ、震災の爪あとは、市内のいたる所や目に見えない心の傷として残っています。一時でも、「以前の生活の感覚を思い出した」と皆さんが笑顔になれるような瞬間や憩いの空間を、JENはこれからも支援していきたいと思います。

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おしかのれん街3か月記念イベント〜葛城ユキさんライブ〜

2012.02.18

2/18土曜日、牡鹿半島の鮎川浜にある「おしかのれん街」では開店3か月を迎え、それを記念してイベントが開催されました。当日の朝は天気も良く、まずは青空カラオケ大会よりスタートしました。地元のカラオケ自慢の方々が訪れ、気持ちよく青空めがけて思い思いに歌を披露してくれました。

【青空めがけて、力いっぱい歌います】

同時にJENスタッフによるアンケートも行われました。のれん街前では、訪れた買い物客へのアンケートや、近くの仮設住宅等にお住まいの方への訪問アンケートを実施し、合わせて100名ほどのアンケートにご協力をいただきました。買い物客には、「近くにボランティア作業に来ていて、足を伸ばしてみました」という市外や県外からの利用客もいるようです。

【のれん街の前にてアンケート】

【近くの仮設住宅にてアンケート】

午後になると、震災当初に慰問に訪れた葛城ユキさんが訪れ、ライブが行われました。のれん街の前にはぞくぞくと人が集まり、来客数は300名ほどに。大盛況のうちに、おしかのれん街の3か月記念イベントが幕をおろし、街も人も新たな一歩を踏み出します。

【葛城ユキさんのライブ】

【たくさんのお客さんで賑わうのれん街前】

夕方には、葛城ユキさんは鹿妻地区にあるHANA荘にも訪れました。この地も震災後に訪れていただいた縁のあるところだそうです。ユキさんを待っていたたくさんの地域の方々は、着ている洋服にサインをしていただいたり、握手してもらったりで、みんなの笑顔でHANA荘は包まれました。

【我さきに握手とサインで並びます】

最後は、みんなで記念撮影。のれん街でもHANA荘でも、また多くの新しい出会いが待っていることでしょう。出会いから始まり、やがて絆へと成長していく。そんな素敵な場面がたくさん生まれるように、JENは陰ながら支援していきたいと思います。

【再会を祝して記念撮影】

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【生計回復】歩み出したリサイクル業者 〜未来への一歩〜(2012.02.14取材)

2012.02.14

震災後、石巻市内では、町中にあふれた瓦礫を撤去したり、ゴミを収集してくれる専門の業者も被災し、業務ができない事態に陥っていました。

JENは、そんな被災業者へトラックを提供することで、瓦礫撤去やゴミ収集に貢献していただこうと思い調査を行いました。

調査の結果、最も被災状況がひどかったのは、旧北上川の河口付近に自宅兼事務所を構えていた創業120年のリサイクル業者の方でした。

震災当時、従業員33名のうち、10名が震災により亡くなられました。

失意の中で、仕事を再開するにも、まったく気力が起きない状況で「会社を再建したくても、現実には事務所も車も仕事も…何もないという現実がありました。どんなに頑張っても会社の再建はできない。やはり諦めるしかないのか。でも…」と、様々な葛藤があったそうです。

そんな中、JENが仕事で使うダンプカーやゴミ収集車を無償で貸出しますという話をすると、最初は信じてもらえませんでしたが、「車があれば、仕事ができる。会社を再開しなきゃ。一歩ずつし進めないけど、生かされた命だから、従業員のためにも頑張ろう」と、僅かですが希望の光が見えたそうです。

貸出したゴミ収集車

また、車が使えることにより業務を再開できるだけでなく、雇用促進の効果も生まれて、以前の従業員5人が戻ってきて働いているそうです。「得意先が7〜8割被災しているので、以前のようには仕事がこないけれど、鉄くず回収や受け入りの仕事もくるようになりました。これも仕事で使える車があるおかげですよ」と感謝の言葉をいただきました。

さらに、その車を使って津波でえぐられた岸壁の補修[m1] を行う等の社会への貢献活動にも無償で携わっていただきました。

【ダンプカーで岸壁を補修している様子】

最近では、被災にあった川口町の工場を、半分補修しながら残りの半分で稼働しているそうです。以前から仕事の一部として考えていた貿易分野にも取り組んでいきたいとおっしゃっていました。「これから先、いばらの道だけど、まずはマイナスからゼロへと一歩ずつ、着実に前に進んでいこうと思う」

【川口町の工場】

湊小学校での避難所生活は辛いこともありましたが、楽しいこともたくさんあったそうです。

「みんなで一緒にごはんを作って食べたり、山形から旅行のご招待もあったし、日本人の友情も捨てたもんじゃないですね。ありがたいですよ。日本だけでなく様々な国の方々との出会いや経験を通して、絆に国境はないですね」とおっしゃっていました。

「支援していただいた方々へ、どういう形でできるかわからないですが、恩返しをしていきたいです」と明るい笑顔を覗かせてくださいました。

【リサイクル業者の社長夫妻】

今回の事業は、支援者の皆さまと、ジャパン・プラットフォームのご協力により実施しています。少しでも多くの方々の自立を助けるために、これからもJENは希望の糧となるような支援をしていきたいと思います。一歩ずつ、希望があふれる未来へ向けて。

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仮設住宅での第1回カラオケ会

2012.01.19

1月19日(木)、河北地区にある仮設住宅の集会所でお茶っこ&カラオケ会を開催しました。カラオケは仮設住宅に暮らす方たちの要望に応えたもので、JENが取り組むコミュニティ支援活動では初めての試みとなります。

取材に訪れたこの日、集会所に入る前からすでに、カラオケの演奏に合わせてのびやかな歌声が響いてきました。

仮設住宅での暮らしが長く続くと、思い切り大きい声で歌う機会もありません。

「久々に歌ったなぁ。」
「普段声を出して歌うこともなかったから声が出ないな。」
「壁がうすいものね。」

照れながら歌う表情のなかに、仮設住宅に暮らす方たちの現実が垣間見えました。

JENスタッフとのデュエット曲をリクエストする声もあがり、笑い声や、楽しそうな歌い声が響きます。
また、昔働いていたカキの加工場でよく歌われていたという曲に懐かしそうに目を細める方もいました。
お菓子や漬物を持ち寄ってくる方もおり、この集会所がみなさんの拠りどころとなってきているのを感じました。

津波で小学2年生の孫を亡くし、涙をうかべながら演歌「孫」を歌う女性。
歌詞の「雪がとければ花も咲く―」に思いを託して歌う女性。
多くの方たちのさまざまな思いがつまったカラオケ会となりました。

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