3月9日(金)、東日本大震災支援プロジェクト「HOPE FOR JAPAN」を実施する一般財団法人mudef(ミューデフ)と、石巻市内で復興支援活動を行うJENは、石巻地区広域行政事務組合消防音楽隊(以下、消防音楽隊)へ楽器の贈呈を行いました。
【楽器贈呈式の様子】
今回のmudefとJENによる楽器支援は、昨年12月の石巻市内小中高等学校16校への楽器贈呈に次いで第2弾となります。
消防音楽隊は、「火の用心を音楽に託して」をスローガンに、これまで石巻市・東松島市・女川町において防火コンサート、防火パレードや定期演奏会などを実施してきました。
広く地域のみなさんに親しまれてきた消防音楽隊も、昨年3月11日の震災では隊員2名が殉職しました。さらに、これまで所有していた55点の楽器のうち10点とユニフォームのすべてが被災しました。それ以来、音楽隊として練習することができず、地域イベントへの出演にも対応できない状況にあったといいます。
【被災をまぬがれた昨年3月当時のままの楽器】
消防音楽隊の活動再開が望まれていながら、これまで楽器への支援がなかったことから、このような状況を知ったJENはmudefと「HOPE FOR JAPAN」に賛同するロックバンドGLAY(グレイ)の皆さんのご協力を得て、今回の楽器贈呈を行いました。
贈呈された楽器は、津波の被害を受けた楽器10点(アルトサックス、テナーサックス、ソプラノサックス、ピッコロ、フルート、ホルン、ユーフォニューム、ハーモニーディレクターと、クラリネット2点)です。
贈呈式では、「今でも毎日50名の隊員が行方不明者の捜索にあたっています」「(楽器をいただいて)一日も早く演奏活動を再開できるように努めたい」という代表の皆様からの言葉が力強く響きました。新しい楽器を手にした隊員の皆さんは、新しい音色にほころんだ表情をうかべていました。
地域にねざした消防音楽隊の演奏が町中に響きわたる日を、JENスタッフも楽しみに待ちたいと思います。
【決意も新たに】
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打ち上げられた船を見つめて
これは去年の12月10日に撮影された底引き中型船の写真です。震災から9か月を経ても動かすことができず、港にこの1隻だけが取り残されたままになっています。
実は、この船の持ち主というのが、JENの支援を受けている業者さんなのです。今回は、この船と業者さんとJENのエピソードをお伝えしたいと思います。
解体業を営んでいる業者さん。震災当日は、買い取った船を陸揚げ・解体するため、別の漁港へ曳航(えいこう)する準備をしていました。あと5分で曳航開始という矢先に、激しい揺れに襲われました。間違いなく大津波が来ると確信し、一刻も早く高台へ逃げなければと思ったものの、船のことが気にかかり、30分がかりで岸壁に係留し直しました。その後、逃げる途中で津波の第1波にのまれ、一気に押し流されたのです。高台のふもとの墓地の墓石にしがみつき、かろうじて一命を取り留めることができました。そして高台へと這い上がり、同じように後から流されてきた人たちを何人も引っ張り、避難させました。しかし、家屋をのみこんで襲い来る第2波を目の当たりにした後の記憶は、断片的にしか残っていないそうです。
翌日、高台から近くのパチンコ店に避難。そこで2晩過ごし、7時間歩いてやっと自宅へ帰れたのは3日後のことでした。ご自宅もご家族も無事でしたが、従業員が1名、津波に命を奪われてしまいました。また、営業用のトラック2台と重機1台が流され、大型車1台も半分冠水しました。
あまりにも非現実的な現実の連続。一体これからどうしていけばいいのかと、頭の中の整理がつかずにいたある日、JENとの出会いがありました。JENから、被災した個人事業主にトラックを無償で貸し出すという支援の打診があったのです。
全く聞いたことのない団体、全く面識のない人からの突然の電話に、最初はそんな虫のいい話などあるわけがないと思ったそうです。しかし、自力で車両を手配しようと探し回っても、販売・リース共に1台もないのが現実でした。
半信半疑ながらもコンタクトをとっているうちに、話がまとまり始め、最終的にはトラック2台貸し出しの契約を結ぶことができました。それによって仕事が生まれ、新たに4名の従業員を雇用でき、今ではトラックを使った社会貢献活動にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。
(人々の生活再建のための本事業は、支援者の皆さまと、ジャパン・プラットフォームのご協力により2月末日まで実施されました)
「今まではテレビなどで復興支援活動をする人々を見ていたけれども、今回、実際に支援を受ける立場になって、口では言い表せないほど感謝をしている。本当にいい経験をした」と、業者さんは語ります。
【業者さんのお話に耳を傾けるJENスタッフ】
さて、そんな業者さんの船のその後はというと、今年の1月10日、ついに陸揚げに成功したのです。実はこれまでに2度陸揚げを試みましたが、2度とも失敗。これが3度目の正直、というわけです。これには業者さんも、JENスタッフも感無量です。
【吊り上げられた船】
そして2月27日、大がかりな解体作業が始められました。作業には、JENが支援しているトラックも使われています。
【解体された船の部品をトラックで運搬】
港に取り残された最後の一隻の船。姿を消しても人々の記憶にはずっと残ることでしょう。間もなく震災から1年を迎えます。これからも景色はどんどん変わっていきますが、震災の教訓と支え合いの心は決して忘れてはならない、と改めて思いました。
JENはこれからも地元の人々に寄り添いながら、支援を続けていきます。
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3月3日(土)、牡鹿半島東浜小学校にて、「東浜地区災害復興祭」が行われました。元東浜災害対策本部の方々が、今までお世話になった各支援団体や自衛隊へ感謝の意を表したい、ということで主催し、JENも招待客の一員としてお招きにあずかりました。
5つの浜から成る東浜地区は、石巻でも特に被害の大きい地区のひとつです。この場所とJENとの関わりは、緊急時の物資配布から始まりました。
全国から寄せられた長靴・スコップなどの汚泥撤去道具の配布 。株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)様からご提供を受けた衣類の配布。全国から集まってくださったボランティアの皆さんと共に家屋の泥出し。小学校での人形作り 。資生堂様による美容エステボランティア。夏には野菜支援や漁業支援 。災害対策本部の解散後も、引き続き漁業支援 を行っています。
さて、お祭り当日。会場に到着した私たちをお出迎えしてくれたのは、東浜の住民の皆さまの温かい笑顔と、養殖再開を果たした牡蠣のおいしそうな磯の香りでした。
【この時期が一番おいしいという牡蠣を炭火焼きで】
かつては地震で天井が落ちていた中で物資配布を行っていた体育館も、復旧し、もとの姿に戻りました。
【きれいになった天井】
1分間の黙とうを捧げた後、「今までのたくさんの支援に心から感謝している。今後も絆を大切にし、復興への道を歩んでいきたい」と、元東浜地区災害対策本部長の豊島さんが開会のご挨拶をされました。
【着ているベストにはびっしりと応援メッセージが】
お祭りでは歌や踊りに太鼓の演奏、とれたての牡蠣やワカメを使った料理がふるまわれ、会場に訪れた約160名の招待客を楽しませてくれ ました。
【幸せを呼ぶといわれる地元の伝統芸能「獅子風流(ししふり)」】
【会場に鳴り響く太鼓とお囃子】
【お母さんたちからも黄色い声援が】
また、天候の都合により急きょこの体育館へ会場変更ということで、兵庫県芦屋市からお隣の荻浜小学校野球チームへのユニフォームの贈呈式も行われました。思いがけず、もう一つの心温まる絆の物語に立ち会うことができました。
【ユニフォームを受け取る子どもたち】
浜の方々との楽しい交流のひとときは、福貴浦区長の阿部さんのご挨拶で締めくくられました。「本当に大変なのはこれからだ。皆で一致団結し、乗り越えていこう」とのお言葉に、改めて身の引き締まる思いがしました。
【全員で力強く拳を上げて閉幕】
あの日から1年が経ちました。だいぶ復旧が進んだとはいえ、まだまだ至る所に震災の爪痕が色濃く残っています。課題は山積みだけれども、1歩ずつ、前へ進もう。JENはこれからも浜の皆さんの自立のために支援を続けていきます。
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「津波で流されちまったから、孫のためにつくってやんだ――」
もうすぐ訪れる3月のひな祭りを前に、JENは石巻各地の仮設住宅でひな人形づくりを行っています。震災後の生活ではなかなか四季の行事を感じることが少なくなっていたことから、JENでは季節感を吹き込む活動に取り組んでいます。
下の写真は、2月のある仮設住宅集会所での1コマです。
ボランティアの皆さんにご協力いただき、型紙や色紙、ひな人形のパーツとなる材料を準備し、いざ、ひな人形づくりに挑戦です。作り方を教えてくれる先生は、地元石巻の方たち。
仮設住宅では今、地元の皆さんが教え手となって、仮設住宅に暮らす方たちと一緒にものづくりを楽しむ輪が広がりはじめています。
細かい作業は先生たちに教わりながら、温かいお茶を囲んで皆さん楽しそうに作業をしていきます。気温が氷点下まで冷え込む日には水道管が凍結することもあり、仮設住宅の抱える問題は尽きません。初めて顔を合わせる方どうしでは、自己紹介から始まることも多く見受けられます。
集会所が人と人をつなぎ、JENが取り組むお茶っこ(お茶飲み)会やもの作り活動を通して、やがてコミュニティが一歩ずつ形成されていくのです。
時間が過ぎるにつれ、ふとご自身のことをお話になられる方もいます。辛い思いを抱えながらも、津波でひな人形を流された孫のために作る方や、亡くなった孫へ思いを込めて作る方がいます。
それぞれに息を吹き込まれた表情豊かなひな人形は、それぞれの仮設住宅でまもなく震災後初めての桃の節句を迎えます。
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期間:2012/2/24〜2/27
ボランティア参加者累計:3980名
漁業支援ボランティア参加者累計:755名
2/25〜2/27の3日間、三井物産など36名のボランティアさんがご参加くださいました。
牡鹿半島の東浜と呼ばれる地域には5つの浜(福貴浦、鹿立、狐崎浜、竹浜、牧浜)があります。4つの浜は津波による被災状況がひどい状態でした。狐崎浜は津波の被害は少なかったものの、海沿いの数軒においては、他の浜と同じように壊滅的な被害をうけていました。
さかのぼること去年の7月頃、泥出しボランティアで狐崎浜の2軒のお宅を掃除した縁で、JENはこの方たちと出会いました。その後もJENは、漁業支援として牡蠣養殖の再開に向けた「原盤づくり」(からこ刺し)や「種つけ作業」、また、漁網支援を通じて狐崎浜との絆がますます強くなっていきました。
最近では、狐崎浜の皆さんとも顔なじみになっており、「今年は狐崎神社のお祭りをやろうと思うんですが、良かったら、一緒にお神輿をかついで参加しませんか?」とお誘いを受けました。昨年は、津波により行うことのできなかったこの地域の伝統的なお祭りにJENスタッフやボランティアの皆さんも一緒にと声をかけてもらい、とてもうれしく思います。
【1個ずつお餅を丸めている様子】
お祭りの前日、私たちは準備のお手伝いに伺いました。神社の入口から社に向かっての山道へ、のぼりを数か所に設置するのですが、のぼりがとても長いため、1つ設置するのも数人がかりでの作業でした。その他、祭りの日にまく3色のお餅の準備など、皆で協力して作業を進めていきます。
【のぼりを建てるのも一苦労】
2月27日、迎えたお祭りの当日。強風でしたが、空は晴れ渡っていました。お祭りには、立派な袴や着物を装った浜の皆さんと、白い服に身を包んだお神輿担ぎの若い衆やボランティアの方々が集まりました。狐崎稲荷神社へむけてお神輿を迎えに一列になり練り歩きます。
神主さんがお神輿へ神様をお迎えする儀式を終えると、いよいよ狐崎の神様がお神輿に乗り、浜に降り立つ時が来ました。
【掛け声を掛けながら、みんなで盛り上がります】
一度、お神輿をお迎えしてから、地域の皆さんへの餅まきが行われました。1つでも多くお餅を取ろうと、みんな真剣なまなざしで見上げています。子どもたちは袋を持参して、餅ひろいへの参戦です。広場には子どもからお年寄りまでたくさんの人でにぎわいました。
【餅まきに歓声が沸きました】
その後、お神輿を担いで、家を何軒かまわった後に向かった先は、海でした。恒例のお神輿を担いだまま、海へ入る儀式です。陸にいても体が冷えきるような寒さの中、勇壮な担ぎ手の皆さんは海へと入っていきました。
本来なら、神輿を担いだまま胸まで入りますが、今回は浜の若い衆が一人胸まで入り、残りの方は地下足袋のまま足首まで入りました。海は強風で白波が立っていました。
【強風で白波が立つ海へ】
最後に神社へとお神輿を奉納し、お祭りは無事に終了しました。
山の神社から海に入る儀式まで、そこに住む浜の人たちが海や山と一体となって行われる伝統的なお祭り。今年は狐崎浜の人だけでなく、東浜の他の浜からも担ぎ手が参加してくれました。そこにJENも参加することができ、皆さんと一体感を共有し絆を深めることができました。
JENはこれからも地域に根ざした支援を通じて、生きる楽しさを皆さんと一緒に探していきたいと思います。復興へむけて、確かな一歩を。
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