東北支援速報

〜石巻を夢や希望のある街にしょう〜ユニクロの復興支援ボランティア

2012.06.14

東日本大震災により発生した津波により、着のみ着のままで避難所へ避難した住民に対し、いち早く衣類の配布支援などを実施してきた㈱ファーストリテイリング社は、大震災により大きなダメージを負った石巻市において、石巻を「夢や希望のある街にしよう」というスローガンのもと、被災地の復興の力となる活気ある地域づくりの取り組みを開始しました。

6月5日(火)、その第1陣40名のユニクロの社員が全国各地からボランティアとして石巻にやってきました。

一行は早速、宿泊する塩釜のホテルでオリエンテーションを行い、始めにユニクロの担当者から「被災地のお役に立てることが何であるか、これから一緒に考え、3年間で実行していくので、色々なアイディアを出してほしい」と挨拶。続いてユニクロ蛇田店の店長が石巻の現況などを話されました。

その後、チーム編成を行い10チームが編成され、そのうち7チームは、小・中・高校での現況や先生や学校が困っていることを調査し、残りの3チームは、中心商店街、仮設商店街、湊・渡波などの地域について調査することに決定しました。

【オリエンテーション】

【チームビルディング】


チームビルディング終了後、被災地視察を行い、東松島市の野蒜地区、石巻市の工業港、南浜町、魚町周辺を視察し、最後に日和山公園から被災地域を一望し1日目は終了しました。

【日和山公園】

 

5月6日(水)、各チームはそれぞれの地域を調査し、調査した結果をそれぞれ振り返りミーティングで発表しました。調査した内容は、4つの切り口で分け、それぞれ「気づき」、「ニーズ」、「直ぐできるもの」、「時間がかかるもの」として紙に張りつけ作業を行いました。
【振り返りミーティング】


【紙に張りつけた付箋紙】


ユニクロの社員の皆さんの鋭い切り口などもあり、紙は付箋紙だらけになって溢れるほどの情報で埋まりました。この調査した情報を通し、課題を発見し、1つ1つ丁寧に課題を解決していくことになります。

ジェンは、復興支援ボランティア活動を通し、夢や希望のある街づくりに協力することにより、地域の皆さんに寄り添っていきます。

 

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社会人として 〜リコー新入社員研修 南三陸町で漁業の復興を目指して〜

2012.06.14

株式会社リコーの新入社員研修を行いました。第1グループは、5月23日(火)から25日(金)、第2グループは、5月30日(火)から6月1日(金)の各3日間。各92名、総勢184名の新入社員の活動でした。

活動に先立ち、22日(月)と29日(月)には、被災地石巻を訪れ、石巻工業港の瓦礫の山、市場周辺の地盤沈下の状況などを視察したあと、門脇小の前で全員バスから降り、石巻観光ボランティアの語り部さんによる震災当時の状況を聞きました。初めて被災地に来たという社員は、「映像では何回もみたが焼失した小学校を目の当たりにショックを受けました」と話していました。

視察のあと、東松島市コミュニティセンター(第2グループは遊学館)に移りオリエンテーションを行い、ジェンスタッフから今回の活動の目的や活動内容などの説明を行、最後にチームごとの目標を話し合い、紙に書き写して終了しました。

【オリエンテーション】

第1グループの新入社員92名は、3チームに分かれ、南三陸町の沿岸部の本浜、荒砥浜、清水にてサンドバック作り、めかぶ削ぎ、ワカメやコンブの選別作業を行いました。

第2グループの新入社員92名も同じように3チームに分かれ、袖浜、細浦、林、本浜、平磯などで同じ作業を行いました。

各グループは、それぞれ地元の漁師さんとコミュニケーションを取りながら一生懸命に作業を行いました。

特に、体力勝負のサンドバック作りでは、新入社員の一人が「大変な作業ではあるけど、何とも言えない達成感を感じます。」と大粒の汗を流していました。

【サンドバック作り】

このサンドバックは、50kgほどの重さになり、カキ養殖施設をはじめ、ワカメ養殖などほぼすべての養殖施設に使用します。特に、これからカキ養殖施設を元通りの台数まで復活させるのに何万個も必要になります。今回のトータル目標製作数は、約8,000袋でしたが、目標を大きく超える9,622袋の実績となりました。

地元の漁師さんはたいへん喜び、ホタテの差し入れなどもしてくださり、浜では早速バーベキュー大会、新入社員も大喜びでした。

【ホタテの差し入れ】


最終日には振り返りミーティングを行いました。「ただ物をあげるだけでなく、人が関わっていく必要があり、そのためには伝えていく必要がある」、「実際に見て、聞くことの大切さがわかった。現場を見て考え方が変わった。今後も現場に足を運ぶ」など、それぞれのチームが、目標の進捗結果や社会貢献活動の意義や今回の「気づき」について活発に意見を述べ合っていました。

この活動を通じ、被災地の現況が一人でも多くの人々に伝われば、これも一つの被災地支援になります。


心をひとつに〜東浜小学校運動会

2012.06.14

快晴に恵まれた5月26日(土)、牡鹿半島の東浜小学校で、小学生と幼稚園生の合同運動会が開催されました。

運動会には地域の人たちも大勢集まり、JEN支援活動にご協力いただいているUBS証券株式会社の皆さんもかけつけ、JENスタッフとともに運動会のお手伝いをしてくださいました。

東浜小学校の在校生は22名。小さな学校ですが、校内には幼稚園が併設されており、皆とても仲良しです。グラウンドにいくつもの大漁旗が風にそよぐなか、地域の人たちからの熱い声援をうけた子どもたちは、目を輝かせて競技にのぞんでいました。

【「がんばれ!」声援が響きます】


【UBSのみなさんもお手伝い】

 

さまざまな競技のあと、在校生による「獅子風流(ししふり)」が披露されました。大漁や五穀豊穣などの願いが込められた獅子風流を小学生たちも受け継ぎ、獅子は息を吹き込まれたように踊りだします。
【獅子風流の様子〜囃子が鳴り響きます】


【獅子風流の様子〜眠れる獅子の目覚め】

 

玉入れ、綱引きやリレー競技にはUBSの皆さんとJENスタッフも参加させていただきました。リレーはどのチームも気合い十分で、表情は真剣そのものです。

「ほら、いけ!」「がんばれ!」と観客席からの大声援をうけ、JENスタッフも次々とバトンをつないで走っていきます。しかし地域の人たちの足の速さには感服でした。観客席からは「お疲れさま!」と温かい声援や拍手がおこり、地域の皆さんとの一体感を感じました。

この日、復興Tシャツを着ている人を多く目にするなか、「おだづなよ 津波!」の文字が。「おだづなよ 津波!」には「ふざけるなよ 津波!」の気持ちが込められています。この言葉には、津波で多くを失っても負けない浜の人たちの気概とたくましさを感じました。

復興のバトンは、いつか小学生たちへと継がれていきます。東浜の各地に大漁旗のあがる日を心待ちにし、これからもJENは地域の皆さんとともに歩んでいきます。

 


人としてMRとして〜グラクソ・スミスクライン新入社員研修

2012.06.07

5月7日(月)から11日(金)までの5日間(活動は3日間)、石巻市(侍浜、狐崎浜)と南三陸町(平磯浜)において、グラクソ・スミスクライン株式会社(以下、GSK)の新入社員研修を行いました。

侍浜、狐崎浜、平磯浜はそれぞれJENが支援活動を行っている地域です。5日間にわたる研修のなか、それぞれの浜において、カキの原盤づくり、ワカメのメカブ削ぎ、芯抜き作業などを行いました。

カキの原盤は、ホタテの貝殻一枚一枚にハンマーで穴を開け、針金を通して数珠つなぎにして作ります。この原盤にカキの稚貝が付着し、2〜3年を経てカキが成育するのです。

【原盤づくりの様子〜針金の大きさに合わせて穴を開けます】

【およそ5,000㎏分のメカブ削ぎを行いました】


初めての漁業ボランティアでメカブやワカメの原型を目にしたGSKの皆さんは、手間暇をかけてそれらがスーパーなどの店頭に並ぶ商品になることに感慨深い様子でした。気さくな漁師さんたちにご指導いただきながら、日を追うごとに手際よく作業に取り組んでいました。

研修4日目には石巻赤十字病院を訪れ、災害救護係長と看護師長から震災当時の「初動の記録」についてお話を伺いました。

石巻赤十字病院は、日頃の災害実動訓練を徹底することにより、震災時にも迅速かつ冷静に災害対策本部やトリアージ(負傷者を緊急度や重症度によって分類し、治療や搬送の優先順位を決定するもの)を設置して救護対応にあたることができました。

津波を記録した映像に誰もが息をのみましたが、これからMR(医薬情報担当者)として医療に携わっていくGSKの皆さんは、「震災の学びを風化させてはならない」「チームワークが大事です。チームを組まないと人の命は救えないのです」との看護師長たちのお話に真剣に聞き入り、JENスタッフもあらためて引き締まる思いでした。

【石巻赤十字病院での聴講の様子】


研修最終日の振り返り会では、GSKの皆さんからは「実際に石巻に来てみて、まだ復興が進んでいないと感じた」「漁師さんたちが前向きに進んでいる。明るさを感じた」などの感想や活発な意見が交わされました。
【振り返り会の様子】

研修初日からわずか5日の間に皆さんの顔つきは変わり、被災地の復興支援に深く寄り添って考えていることが伝わってきました。JENスタッフもGSKの皆さんからさまざまな気づきがあり、充実した研修となりました。

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浜に活力を〜漁業再開に向けた取り組み〜

2012.05.24

JENでは、昨年より石巻の各浜においてさまざまな漁業支援活動を行っています。漁業支援は、JENの活動を理解し支援して下さる多くの皆さまのご協力により成り立っています。

今回は、JF石巻地区支所管内の石巻10浜での取り組みをご紹介します。

石巻10浜(佐須浜、沢田、荻浜、侍浜、折浜、蛤浜、月浦、桃浦、小竹浜、田代島)も、他の浜と同様に津波の被害を大きく受け、漁具を失いました。漁業再開が危ぶまれていたなか、JENとともにこの10浜を支援してくださることになったのがInternational Rescue Committee(以下、IRC)という米国のNGOです。IRCの皆さんのご協力により、今年2月よりこれまでにスカイタンク、フォークリフト、パレット、ワカメ刈り取り機、万丈篭(ばんじょうかご)などをそれぞれの浜に届けることが出来ました。

【スカイタンクをお届け】

【ワカメ刈り取り機で収穫UP】

<写真2:DSCF0671>

4月中旬、フォークリフトとパレットをお届けに、事業視察に訪れていたIRCの方々とある浜を訪れました。浜の皆さんが出迎えて下さり、真新しいフォークリフトのお披露目では歓声と拍手が起こりました。直接、皆さんの表情が見える最もうれしい瞬間です。早速、フォークリフトの試運転が行われました。

【フォークリフト、始動!】

「津波で何もかも流されてどうしようかと思っていたけど・・・支援してもらって本当にうれしい。ありがとう」と涙ぐむ女性もいらっしゃいました。試運転するフォークリフトのすぐ後ろには、津波で大きな被害を受けた家屋が立ち並び、荒涼とした光景が広がっています。そのような状況のなかでも、時折笑顔をにじませて頑張ろうとする浜の皆さんに力強さを感じました。

皆さんの笑顔を胸に、JENはこれからも各浜のニーズを見極め、継続的な支援活動を行っていきます。

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