被災地では、震災から二回目の冬を迎えています。
昨年の冬に各種の防寒工事が施されましたが、仮設住宅での暮らしはこれからも長期化することが予想されています。
JENでは、防災訓練や炊き出し訓練を仮設住宅自治会と共に実施することで、団地内で住民同士が助け合う、“互助”の関係づくりとその強化を目指して活動しています。
AEDの使い方、人工呼吸のしかたなど、緊急時の初動対応の訓練を行います。
平時の備えの大切さを実感しておられる参加者の方々は、皆熱心に取り組んでいました。
【12月2日、新田団地での防災・炊き出し訓練】
100世帯を超える大きな団地が少なくない石巻市ですが、市中心部から離れた郊外に立地する新田団地には、別々の地域から全15世帯が入居しています。
まだ小さいお子さんを抱えるお母さんからは、「もしまた災害が起こったときに、孤立してしまわないか不安です」という声が上がっていました。
石巻市内には6,946戸16305人のかたが、いまだに仮設住宅での生活を余儀なくされています。(2012年12月時点)この数字は、入居が始まってからほとんど変化していません。
防災・炊き出し訓練・救急救命訓練は、仮設団地自治会と調整を行いながら、順次実施しています。
【ご寄付はこちらから】
12月9日(日)、石巻まちなか復興マルシェのフードコート内で「楽しくお仕事フェスティバル」を開催しました。これはジェンの女性起業支援の一環で、「自分のスキルをビジネスに活かしたい」、「働きたいが子育てなどで勤めに出るのが難しい」「起業したいがノウハウがわからない」などと考えている女性を対象にしたものです。
【石ノ森漫画館近くにある石巻まちなか復興マルシェ内で開催しました】
グッズ販売、手作りパンやジャム、指ヨガ体験、ベビーヨガ体験など、それぞれの分野ですでに起業している6人の女性がブースを出展しました。
参加者のみなさんは、実際に石巻で起業に至った事例の紹介や、本人が起業に至るまでの体験談のお話などに、興味深そうに耳を傾けていました。
【石巻市鹿妻地区で立ち上がった“ばっぱコーポレーション”】
ジェンはこれからも、女性起業支援を継続して行います。引き続きご支援くださいますようお願い申し上げます。
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12月9日(日)、佐須浜の漁師さんたちによる「カキ小屋」が、グランド・オープンをむかえました。
11:00の開店と同時に第1号となるお客様が震える体で入ってきました。「どちらからお越しですか?」と尋ねたら、福島の会津からとのお答えでした。奥様の実家が石巻で、今日も朝から釣りをしてカレイなど数匹を釣り上げたとのことでした。あまりに寒いので、もう帰ろうと思ったときにカキ小屋ののぼり旗を見かけたそうです。「大好きなカキが食べられる。ラッキー!!」直ぐにカキ小屋に入ったら、「記念の第1号客です」と店のスタッフから声をかけられ苦笑い。
【カキ小屋第1号のお客様】
11:30を過ぎると次々とお客様が訪れ、あっという間に満席になりました。地元産のシュウリ貝を煮だした「シュウリ汁」が振る舞われると、みんな美味しそうに口に運んでおられました。冷えた体も直ぐに温まったようです。
【大きな鍋でシュウリ貝を煮だしたシュウリ汁】
【中新田から訪れたお客様、シュウリ汁は本当に美味しいと絶賛】
佐須浜産のカキは、1年物のため少し小ぶりですが、うま味が凝縮されております。荻浜産(おぎのはま)のカキは、2年物のため身も大きめです。佐須浜と他の浜のカキの食べ比べができますので、ぜひこの機会に食べ比べてみてください。
心待ちしたカキ小屋の開催でありましたが、一昨日に宮城県沖を震源とする大きな地震により津波警報が発令され、18:00過ぎに鮎川浜で約1メートルの津波が観測されたばかりでした。幸い市街地にまで達する津波ではなかったため大きな被害も報告されませんでしたが、佐須浜の堤防が翌日海に沈下したそうです。「元々基礎が弱くなっていたのでは?」と漁師さんたちは話していました。
そんな影響もあり、「お客様が一人も来ないのでは…」と心配されていましたが、佐須浜の漁師さんたちも一安心でした。
佐須浜のカキ小屋は、年内は12月23日までの毎週日曜日11:00〜14:00まで開催されます。「カキが一番美味しいこの時期に一度食べにきてください」と石巻市地区漁協カキ浜小屋実行委員会の代表の細川さんは話していました。
*年明け2013年1月の開催日は、1月13日から毎週日曜日12:00〜14:30までと時間を変更して開催する予定です。
また、ここでしか食べられないスペシャル・メニューとして、「佐須のバーガー」がイチ押しです。佐須浜産のカキの煮汁から作ったオイスターソースをベースにしたデミグラスソースとの相性が抜群です。
数々の紆余曲折を経て、この度のカキ小屋の開催に至ることが出来ました。約1年前から何度も対話を繰り返して、佐須の皆さんの願い・想いがこうして形となったこと、本当に感無量です。
JENは、これからも地域の再生に向けた様々な活動を応援してゆきます。
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緊急募金を受け付けています。
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口座名 JEN
通信欄に「東日本大震災」と記載ください。
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プルダウンメニューから「東日本大震災」をお選びください。
その他、銀行へのお振り込みに関しては、恐れ入りますが、ジェン東京本部(03-5225-9352 担当:富田、浅川)までお問い合わせください。
現在、石巻市追波川仮設住宅に夫と二人で暮らす三條キエコさんは、震災前、石巻市長面地区で暮らしていました。夫は30年以上務めた合板会社を数年前に定年退職し、時折手伝いに行っては収入を得ていました。三條さんには子どもが2人いて、2人とも家庭を築き、孫も3人いました。
震災時、三條さんは自宅で待機していたため、自宅で津波に呑みこまれ天井にわずかに残った隙間から顔を出し、何とか息を繋ぎました。必死の思いで二階に這い上がり、ヘドロ混じりの海水で濡れてしまった体をカーテンや毛布を体に巻きつけ、寒さをしのぎました。自宅は全壊してしまいました。
義理の娘(長男の妻)、高校1年生の孫、小学3年生の孫が津波にのまれて亡くなりました。亡くなってしまった娘は、発災時に石巻市役所にいました。そこから高校に通う長男を車で迎えに行き、その後に小学校に通う小3の二男を迎えに行きました。15時頃、夫宛てに「今、長男を車に乗せて小学校に二男を迎えに来て待っている所です。」とメールが届きました。その直後、小学校ごと津波にのまれてしまったのです。
【2011年12月に撮影した長面地区、まだ水没したまま】
「私は自分を恨み続けました。何で私たちみたいな老人が生き残って、これからの未来を切り開いていく若い世代の娘や孫たちが死んでしまったのだろうと。悔やんでも、悔やみきれない気持ちでいっぱいでした。」
「ただ何もせず家に居ると震災当時のこと、孫達のことを思い出すしかできなくて、とても辛かった。亡くなってしまった孫たちと同年代の子どもを見るだけで涙がこみ上げてきたくらいです。今でもあの子たちのことを思い出すと涙が滲んできます。だから、昨年末くらいからは、集会所で何か催しがあれば、気を紛らわすためにも必ず行くようにしていました。」
【2011年秋にプランターとチューリップの植栽の様子をみている三條さん:右端】
「集会所で何かある毎に来る人が違うけど、中には毎回同じ人が来てくれることもあり、その人達と会う度に仲良くなっていきました。今ではその人たちと会うこと、その人たちの元気な笑顔を見ることが私の元気の源になり、心の支えになっています。
どれだけ心が癒されたか。ありがとうの言葉だけでは感謝の気持ちを伝えきれない。そういった方々の支援のおかげで気持ちが落ち着き、去年よりもずっと前向きにもなれたと思います。」
「今年の春頃より、物資も気持ちももらってばかりではいけないと思い、他の誰かの為に何か出来ることはないかと考えるようになりました。そこで、自分の長年趣味として続けていた手芸を通して“私はこんなに元気になりました。支援して頂いた皆さんありがとう”」と伝えることにしました。今では自分の住んでいる仮設住宅と、別の2か所の計3か所で手芸のボランティア講師として活動しています。
「別の仮設住宅で暮らす長男が内陸部に土地を購入しました。新居が完成したらそこで手芸教室を開こうと考えております。その時はボランティアとしてじゃなくプロの先生としてね。今までお世話になったボランティアさんたちを呼んでお茶会なんかもする予定だし、早く新居が出来ないかと心待ちにしています。」
【すっかり明るくなった三條さん、ジェンのスタッフと談笑】 被災地では、さまざまな被災を経験し、心に深い傷を抱えたまま生活を送られている方がたくさんいらっしゃいます。
ジェンはこれからも、一人一人に寄り添った活動を行ってまいります。
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