シリア難民支援速報

キャンプの排水対策

2014.12.11

普段は特に気にすることも少ない日々の生活排水ですが、もしも下水道がなく流す場所がなくなったらどうなるでしょうか。炊事・洗濯・トイレの水を排水できない状況というのを想像できるでしょうか。

JENが支援活動を行っているザータリ難民キャンプには8万人超の方々が避難し、約2万世帯が暮らしています。しかしながら、各家庭から生活排水を流す下水道が通っていないのが現状であり、仕方なく屋外に流すしかありません。

【家庭から生活排水が流れている様子】
141211 ①家庭から生活排水が流れている様子
汚水は高地から低地へと流れて滞留するため、近隣の衛生環境が悪化します。加えて、11月から1月まではヨルダン全域が雨季に入るため、生活排水に降水も加わり、水はけが悪いキャンプでは中々滞留した水がなくなりません。

【生活排水が滞留した地域】
141211 ②生活排水が滞留した地域
そこでJENは他団体と協働で、各家庭から出る排水の上に、吸水性に優れたユーカリを植えるプロジェクトを開始しました。

難民の方々が各家庭で汚水を溜める穴を掘り、支援団体の専門家がパイプ、白石を積んだ上で植林を行います。難民の方々も共同で作業を行うことによりオーナーシップが芽生えて大切に管理されます。

現在JENは特に汚水が多い住居の密集地域で重点的にプロジェクトを進めていますが、近隣の成功を見ることにより今まで興味を示されなかった方々の参加も散見され、コミュニティーではちょっとした流行の様を呈しています。

【植林用の穴を掘っている様子】
141211 ③植林用の穴を掘っている様子
【パイプ、白石を敷き詰めている様子】
141211 ④パイプ、白石を敷き詰めている様子
【植林用の苗を受け取った子ども】
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汚水問題を抱えているコミュニティーはまだ多数あることに加え、あと2か月ほどは雨が頻繁に降ることが予想されます。しかしながら、近隣世帯の成果に感化された住民が少しずつ本プロジェクトに興味を示し始めるという好循環が生まれています。キャンプ生活が少しでも快適になるよう、今後も支援活動を行ってまいります。

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
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