9月も終わりに近づき、ここヨルダンでも朝夕は気温が下がり、秋の漂いが感じられます。これは暑い日差しの下で活動するスタッフにとっては喜ばしい変化です。
しかし一方、冬の到来は多くの課題もつきつけられます。特に、最近ヨルダンに着き、冬への十分な準備ができていない難民にとっては大きな問題となります。
そのような苦境におかれている難民への越冬支援に、毎年UNHCRの統括のもと、多くの機関がブランケット、ヒーター、衣服などの救援物資を難民に配布しています。
このプログラムの一環として、JENは2012年、2013年の冬に、ザータリ難民キャンプに住む難民全員を対象に、ユニクロをはじめ、多くの団体から寄付された冬服を配布しました。2回の衣料配布を通して、JENは合計15万人以上の難民に、衣料セットを配る事ができました。
この冬服配布は、テントや仮設住宅のような過酷な状況下で暮らす難民から、暖かく生活できると、とても喜ばれています。
JENは今年、4月に新しく運営を開始したアズラック難民キャンプで衣料配布を行うべく、UNHCRや他の関連団体と計画をたてています。そのため、先日JENスタッフは初めてアズラック難民キャンプを訪問しました。
こちらがアズラックキャンプです:
【仮設住宅が立ち並ぶアズラック難民キャンプ.】
アズラック難民キャンプは、ザータリ難民キャンプの住民数がキャパシティに達してしまったため、新規難民を受け入れるべく、今年4月30日に正式に運営を開始しました。UNHCRの正式なデータによると、キャンプの面積は約15平方キロメートルで、約13万人の難民を受け入れるキャパシティがあります。ここに、現在14000人以上の難民が生活しています。
アズラックキャンプはアンマンから90km離れた砂漠の真ん中に位置するため、ここに住む難民は厳しい天候の中での生活を強いられています。JENスタッフが訪問をした日もキャンプでは強風が吹き、日影の少ない場所に厳しい陽射しが照り付けていました。
アズラックキャンプはザータリキャンプ運営で得られた様々な学びに基づいて設計されています。両キャンプの大きな違いの一つとして、アズラックに来た新規難民は、ザータリで配布されるようなUNHCRのテントではなく、はじめから建設済みの仮設住宅に住めることが挙げられます。
この仮設住宅が数世帯分集まり「ブロック」と呼ばれる集合体を作り、ブロックごとに女性用と男性用のトイレや水飲み場が設置されています。このようなデザインは、難民自身に自分のブロックの施設管理に主体的に取り組んでもらう事によって、公共設備を管理しない事から生まれる課題を軽減させることを意図しています。
【アズラックキャンプの仮設住宅】
【このようなトイレが各ブロックに設置されています】
また、アズラックではキャンプの管理においた工夫も見られます。ザータリで盗電が問題になっている事から、アズラックでは電線を張らず、ソーラーパネルを使った外灯を使用しています。
【ソーラーランプによって夜道も安全】
冬に向け、難民の多大なニーズに対応するため、JENはアズラックの住民全員と、これから来る新規難民に衣料配布を行うため、UNHCRとの話し合いを進めています。JENは、日本の支援でアズラックに住む難民の生活をより住みやすいものにするため日々活動しています。
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