シリア難民支援速報

ザータリ難民キャンプでの治安維持

2014.04.17

2012年7月に設立されたザータリ難民キャンプはもうすぐ3年目に入ります。設立されてからの1年間不安定だったキャンプの治安状況は、ヨルダン警察との連携、徹底したキャンプマネージメントや様々な機関や団体による充実したサービスにより安定しつつあり、住民による投石などは時々発生するものの、最近では目立った事件はありませんでした。

【2014年4月・ザータリでの日常】
140417 ①

ところが2014年4月5日、キャンプ内の2地区で起こったヨルダン警察と難民間の小競り合いがエスカレートし、同地区に住む難民3千人以上を巻き込んだ暴動に発展しました。この暴動により、多くのテントや仮設住宅が焼かれ、警察官約25名を含む多数の負傷者および難民1人の死亡者が出ました。明確な暴動の原因はまだ調査中ということで、発表はされていません。

【キャンプであがった煙】
140407 ②無題
暴動が始まってすぐに、キャンプ内で活動するNGO団体のすべてのスタッフは安全確保のため、他の場所に移動しました。暴動は夕方に発生しましたが、当時キャンプ内に残っていたJENのスタッフは、夜勤の衣料配布チームの2名のみであったため、事業に大きな影響はありませんでした。

暴動は2地区に限定して発生し、一晩で収まったものの、状況を注視する必要があったため、翌日の日曜日もキャンプスタッフはキャンプには行かず待機していました。日曜日の午後には事態も収まり、バスでザータリに到着した新規難民に衣料配布を開始するため、JENもスタッフをキャンプに送りました。

暴動が発生した2地区は、新しく設立された地区で、暴動に参加した難民も最近キャンプに到着したばかりで、まだ生活が不安定な状態にある方々が大半ということでした。新しい地区は、当初設立された地区よりもサービスが行き届いていないことから、不便な生活を強いられる難民の方々の不満が、簡単に暴動につながる可能性があるという現状を、再度強く自覚させられる出来事でした。

10万人以上の難民が6平方キロメートルの土地に住んでいるザータリ難民キャンプでは、地区ごとによって、提供されている支援や質が変わってしまうという事態は残念ながら避けられません。
実施している支援内容がコミュニティのニーズに合うよう、JENではコミュニティ活動員を通して定期的に難民の方々と会合やヒアリングを行い、彼らの質問や疑問に答えながら、コミュニティとともに活動を行っています。

 

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