JENがザータリキャンプおよびヨルダン国内のホスト・コミュニティで暮らすシリア難民への支援を開始してから、2度目の冬がやってきました。
ヨルダンの冬は雨季が重なり、12月から3月頃まで雨が降ります。ヨルダンは乾燥して暑いイメージが強いですが、雨季には雪が降ることもあります。つい先日、12月中旬にもアンマンに雪が積もり、3日もの間、交通網が麻痺しました。
アンマンが記録的な豪雪に見舞われていた頃、アンマンの50キロほど東に位置するザータリキャンプでも、まとまった雨が降っていました。降水量の少ないヨルダンでは、雨は大切な水供給源ですが、今回の雨はザータリキャンプに水害を引き起こし、住民の仮設住宅が浸水する事態を招いています。
このような状況下のザータリキャンプで、水害で被害を受けている人々の生活を支援すべく、JENはUNHCRや他の国際NGOとともに、緊急支援を開始しました。
今回の豪雨で、ザータリキャンプ内には大小いくつもの水たまりができていました。水たまりは仮設住宅やテントの中に流れ込んでおり、衛生面の問題に加え、感電などの危険性もはらんでいます。 そこで、雨の降りはじめた翌日より、JENは緊急対応策として、排水用ポンプを搭載し約16㎥の水を回収できるトラックを5台、キャンプに派遣し、排水作業を開始しました。この作業には20人以上のスタッフが従事し、4日間で、約122万8千リットルの泥水を回収しました。さらに状況が悪化した時のために、予備のトラック2台も準備していました。
【泥水に覆われた地区に配備されたトラック】
【ノズルを伸ばし、泥水を吸い上げて回収します】
また、JENは緊急連絡ホットラインを設置し、各地域の水衛生委員会メンバーが水たまりや感電の危険性のある場所があればJENに連絡し、すぐにトラックを派遣することができるようなシステムを構築しています。このホットラインは水たまりの場所や状況をより正確に把握するのに役立っています。
【ノズルの先には、水たまりに浸かってしまった電線が見えます】
JENの衛生プロモーターやコミュニティ活動普及員もこの緊急支援において重要な役割を果たしています。
豪雨の予報をうけて、JENはキャンプ内の全水衛生委員会に、事前にシャベルやつるはしを配布していました。これらの道具は、仮設住宅やテントの周りに溝を掘ることで、住居の浸水を防ぐために使われています。JENの衛生プロモーターやコミュニティ活動普及員は、JENの統括地区である3区、4区、5区において、各世帯を1件1件訪ね、そういった道具が水衛生委員会を通じて借りられることや、どうやって使うかを説明しました。
【JENや日本のODAステッカーが貼られたトラック】
ヨルダンの雨季と冬は始まったばかり、これから3ヶ月以上もつづきます。この厳しい生活環境のなかでも、シリア難民の人々が安全で安心した暮らしを送れるよう、JENは迅速にかつ状況に応じた支援を続けていきます。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
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