6月初旬、UNICEF及びUNHCRによる支援の下、水衛生と保健セクターという通常は異なる分野で活動する団体が共に参加する大規模な保健・衛生キャンペーンが、ザータリキャンプで行われました。気温の上昇に伴いキャンプ内における下痢(出血性下痢を含む)の発生率が増加していることを受け、キャンプ住民の保健・衛生意識の向上を目的としたものです。
キャンペーンの間、JENが設立からサポートを行っている水衛生委員会のメンバーが、他の機関及びシリア難民住民から選ばれた看護師からなる衛生促進チームと共に働き、テントやキャラバンを個別訪問して、下痢症例の予防・発見・治療活動を行いました。
下痢と診断された場合は、経口補水液(食塩とブドウ糖を混合し、水に溶かしたもの)で治療が行われましたが、出血性下痢を含む重い症例においては、キャンプ内の病院への紹介が行われました。
砂漠地帯に位置するザータリキャンプは、夏の間、照りつける太陽と砂埃で視界は白く染まります。そんな酷暑の中にもかかわらず、水衛生委員会のメンバーは一週間の間、毎日テントとキャラバンの個別訪問を繰り返し、衛生教育を行いました。
キャンプ・コミュニティのリーダーのひとりであり水衛生委員会のメンバーでもある男性は、今回のキャンペーンへの参加は彼の5歳の息子が下痢で苦しんだ経験にある、といいます。「私の息子は回復までの間、数日間の入院を要しました。その時はじめて下痢が死にもつながるものであることを理解しました。このキャンペーンにより、出来るだけ多くの保護者がそのことを理解してくれることを望んでいます」
UNHCRによると、この一週間のキャンペーンの間に、5歳未満の子どもたちの間で4000件以上の下痢の発生が確認されました。今回のように、国連機関、異なる分野で活動するNGO及びキャンプ・コミュニティが協力してキャンペーンを実施することで、キャンプ全体の各世帯に保健・衛生に関する知識が浸透し、住民ひとりひとりの意識の向上に繋がることが期待されています。
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