シリア難民支援速報

ザータリキャンプにて衣料の配布を行いました

2013.03.07

昨年7月に設置されてから7か月が経ったザータリ難民キャンプは冬の今、凍えるような寒さや冷たい雨、時には雪も降り、人びとの生活は一層厳しくなっています。


JENはシリア難民に越冬支援事業も行っています。2013年1月には、UNHCRと協働してザータリキャンプ内の約5000世帯を対象に冬服などを2回配布しました。

冬服は、スムーズに行きわたるよう、世帯ごとに大きなビニール袋にまとめてから配布しました。日本から届いた冬服のコンテナを仕分けし、世帯ごとに袋詰めする作業は、昼夜を徹して行いました。

2月25日には、3回目の配布を行いました。1回目、2回目の配布で冬服を受け取れなかった242名の人々が対象です。その日も、冷たい風が吹き、砂が舞い上がっていました。子どもたちや女性たちの中には、配布物を積んだトラックを取り囲むたくさんの人垣の中まで入って来ることのできない人もいました。

配布開始後1時間経ったころ、受け取りの順番が来てJENのスタッフに名前を呼ばれ、満面の笑顔になった少年がいました。シリアのダアラ市出身のアドナンくんです。

「ぼくは去年の8月に弟と紛争から逃れてここに来たんだ。大混乱の中から逃げてきたから何も持って来なかった」

ダアラ市はシリア南西のヨルダンの国境に近い町で、シリア紛争の発端となった暴動が激しく起こった地域です。着の身着のまま混乱と恐怖の中から逃げ出してきた人々も多くいます。アドナンくんもその一人。

「僕を見てよ。汚いでしょ。服をもらったのはこのキャンプに来て初めてだよ」と笑顔で洋服の入ったビニール袋を見せてくれました。


UNHCRによると、今ザータリキャンプには10万人以上の人々が避難しており、その数は日に日に増加しています。JENはその状況に対応するため、まだ服を受け取っていない人々を対象に衣料品配布を続けていきます。

衣料品配布事業は、ユニクロ様およびフェリシモ様にご協力をいただいて実施しております。

 

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