シリア難民支援速報

シリア難民 ・支援速報が届きました

2012.09.20

<2012.9.20 シリア難民 ・支援速報が届きました>

ヨルダンにはシリア近隣諸国で最大の81456人[1]のシリア難民が流入しており、その多くが国境に近い同国北部に留まっています。

ヨルダン政府は定員12万人のザアタリキャンプをシリア国境に設置し、難民を集約する意向を持っており、国連機関などとともに現在キャンプの整備を進めています。同キャンプでは26000人(9月6日時点[2])が生活しており、その37%が12歳以下の児童です。また、毎日2000人~3000人がシリアから国境を超えヨルダン国内に流入しています。

キャンプに暮らす難民にとっての不満は電力、医療、食糧の不足とともにキャンプ自体の設置場所にあります。

砂漠のど真ん中に設置されたこのキャンプにおいて、国連機関などの活動により日々難民の生活を改善する為の取り組みがなされていますが、砂埃、暑 さ、風などが彼らの生活をとても困難なものにしています。中でも強風が吹くことで5m先の見通しも利かず、埃や砂がキャンプ中に撒き散らされることとな り、難民の生活を不快にするだけでなく健康面にも影響を与えることになりかねなません。

キャンプで暮すシリア難民の女性は、洗濯をしても5分後には砂埃を被るので意味をなさないと生活の厳しさを語り、キャンプに従事する医師は呼吸器系の疾患が幼児の間に広まっていると警鐘を鳴らしています。

今後、ヨルダンは降雨量が多い寒い季節を迎えることで、キャンプが多くの泥で埋め尽くされ、感染症が蔓延することも懸念されます。

シリアの政治状況が不透明な中で、難民キャンプでの生活がどの程度の長さになり、シリアへの帰還がいつになるのかも不透明な状況にあります。ジェン はキャンプでのシリア難民の支援を通して彼らの生活を支えるとともに、一刻も早く彼らが故郷への帰還が叶うことを強く望んでいます。


[1] 9月7日現在の国連登録難民数(UNHCR発表)。ヨルダン政府の発表では非登録の難民を含め約15万人がヨルダン国内にいるとされている。

[2] 同上