2012.12.20
衛生環境の改善へ向けて〜まずは女性のための洗濯場所を
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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、周辺国や北アフリカに逃れたシリア難民の数は50万人(12月11日時点)を超えました。
ジェンが活動するヨルダン国内最大の難民キャンプ・ザータリ難民キャンプでは、ここ数週間は1日に500人もの難民が到着しています。人びとがキャンプに到着した時点から、国連を初めとする様々な支援機関が難民の生活をサポートしていますが、急増する難民に対し、各分野の支援が追いついていません。中でも水衛生(WASH)の問題は、特に弱い存在である子どもやお年寄りの健康へ直接影響する問題として、支援団体の最優先課題となっています。
【共用の水汲み場に水を飲みに集まっている子どもたち】
【砂漠の砂は水を吸いません。排水設備がないため水浸しになっているテント住宅】
キャンプ内の水衛生ニーズは数え切れないほど存在します。ジェンでは、水衛生環境の改善アプローチとして、まずはキャンプ内で女性専用の洗濯スペース(30箇所)の建設を行います。
【トイレで洗濯をする女性に水衛生ニーズの質問を行うジェンスタッフ】
現在、キャンプ内ではトイレに併設された洗面所が洗濯スペースとして使用されています。ただし、そこでは、食器や調理器具、食材なども洗われているため、洗濯排水と混じるなどの衛生上の問題が懸念されています。
また、多くの女性にとって、公の場で下着を洗濯したり干したりすることは、文化的にも非常に大きなストレスになっていることが、キャンプ内での調査や各団体との情報交換の結果からわかりました。
【水汲み場から自宅のテント前に水を汲んできて洗濯をする女性。テント内では典型的な風景です】
ジェンでは、ブロック塀で囲われた共用のウォーターポイント(トイレやシャワー、洗面所が集まる共用の水施設)の敷地内に洗濯専用のスペースを設置します。また、同時に全4000世帯へ洗濯キット(洗剤、洗濯ばさみ、ロープなど)を配ることで施設の利用を促進します。また、難民女性同士の交流スペースとしても活用できれば、コミュニティの強化にもつながります。
キャンプ内では、給水や排水、ゴミ問題など、問題は数多くあります。水衛生に関する緊急に必要な施設の設置に加え、避難生活における衛生意識の向上も必要です。難民の方々の生活をサポートするために、ジェンでは今後、様々な衛生ニーズへアプローチしていきます。