私は、JENの活動が滞りなく行われるよう、難民が参加する活動の調整を行っています。今回は、私が関わっている現在の活動と課題について紹介したいと思います。
ザータリ難民キャンプには、日常生活の中で難民が参加する活動が多数あります。JEN は水・衛生分野での役割を担っており、地域衛生整備の一環としての公共の場の清掃、水の分配、下水ネットワークの構築などの活動に難民が参加しています。
JENは、2013年11月1日から担当している3つの地区のうちの1つで難民参加による清掃の活動を開始しました。翌2014年1月1日よりこの活動を残り2つの地区にも拡大し、また学校でも活動を開始しました。
しかし、2015年9月中旬に学校での清掃活動から撤退したことにより、女性の活動機会は減少してしまいました。この状況を改善するため、JENはそれまで清掃区域の対象となっていなかった住居間のスペースの清掃を女性に行ってもらうことを提案しました。応募の条件は、離婚もしくは死別により夫のいない人であること、としました。
パイロットケースとして開始した当初は5人だった女性参加者が、5か月後には3人のリーダーを含む20人になり、活動範囲も2つの他の地区まで拡大しています。
宗教的な制約により女性が公共の場で働くことが好まれないことや、キャンプ内では警備員・建設現場での力仕事など主に男性を対象とした活動が多いため、清掃活動では男性参加者が占める割合を減らしました。女性参加者はこうした活動に参加する機会に恵まれて嬉しいと話しており、コミュニティの衛生状態も改善されました。
ザータリ難民キャンプでは、現在緊急支援から開発支援の段階に移ってきています。現状からは難民がいつシリアに帰ることができるのか、誰にも分かりません。彼らが自立することができるよう、個人的には特に社会的弱者にあたる女性のための事業を発展させていきたいです。また、シリア危機が早く終わり、彼らが故郷へ帰ることができるよう願っています。
ムハンマド・オライヤン
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