シリア難民支援速報

堆肥作りプロジェクト

2015.09.17

JENが支援活動を行っている難民キャンプのような環境において、水の確保・生活排水などの下水の処理・日常における家庭から出るゴミの処分などは、人口密度が高い難民キャンプで感染症の蔓延を防ぎ、衛生的な生活環境を保つために、最優先で取り組むべき課題です。

JENは、ザータリ難民キャンプ内の12地区のうち、3~5区の水・衛生分野の統括団体として、このような水・衛生改善全般の問題に取り組んでいます。

今回、新たな衛生改善の取り組みの一つとして、JENは8月上旬から家庭ごみの減量のために堆肥作りの試験的試みを始めました。JENが統括している3地区から各地区1家族が参加し、材料・方法などの最適条件を学びます。

家庭用のゴミ箱の底を切り取り、10cmほど地中に埋め、容器の中に生ごみ・雑草などを入れ、水分を加えます。毎日かき混ぜて空気に触れさせ、それを地中から出てきたミミズが食べて分解することにより、約2か月から3か月で堆肥ができます。3家族とも初めての経験ですが、JENスタッフによる週1回の訪問時にアドバイスを受けながら進めています。

1か月が経過し、それぞれの世帯による試みに違いがみられてきました。‘臭いがする’、‘ハエが飛ぶ’などの現象がみられる場合はスタッフのアドバイスにより改善し、容器を設置する位置、材料の種類・状態、撹拌といった条件への理解が徐々に深まっているようです。

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5区から参加しているタラルさんは、キャンプでの生活もすでに3年目となりました。避難前はシリア南部に位置する町で農業を営んでいた経験から、敷地内に野菜、食用ハーブ、花などを植えています。
今回この取り組みに参加して「生ごみの量が大幅に減った」ということで、「今後も継続し、できた堆肥を敷地内の菜園で使用することを楽しみにしている」とおっしゃっています。

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砂漠地帯に位置するザータリ難民キャンプでは、樹木が少なく、またその少ない樹木も砂埃で茶色くなっていることが多い中で、タラルさんの庭の植物は近所の住民にも安らぎを与えていることでしょう。

現在この取り組みは試験段階ですが、この運動が普及し、少しでも難民キャンプでの生活状況が改善されるよう活動を行っていきます。

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jordan