シリア難民支援速報

遥かなるシリアに想いを馳せる

2015.07.23

「キャンプで好きなのは、庭だけだ。キャラバンもこの暑さも、好きじゃない」

こう話すのは、ザータリ難民キャンプに暮らすシリア難民の男性。シリアはきっと豊かな大地なのだろうと、そのあと彼が目を輝かせて話すシリアに耳を傾けました。彼が教えてくれた美しい国、シリアを探して、インターネットで「シリア」を検索してみました。すると、検索結果は銃や戦車、破壊された街々、そして呆然と立ち尽くす人。美しい、いや、戦闘前のシリアを探して、「シリア 街並み」と検索してみると、今度もまた、瓦礫の山が出てきました。キャンプの壁にサインペンを使って子どもたちが元気いっぱい描いていた自然豊かなシリア、友人たちが語る雄大なシリアは、想像するしかありません。

【子どもたちによるペイントの風景】
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キャンプから北方へ目を向けると、日本とは違う薄桃色にもやがかった地平線が見えます。15キロ先のそこが、祖国シリアです。キャンプに暮らす人びとが、平和になった祖国に戻れる日はいつ来るのでしょう。私はここで、わずかな時を彼らと共に過ごさせていただいています。インターンを始めて1ヶ月、ここで、私は何を学ぶことができたのか、ラマダンが終わる区切りの今日に、書き記しておきたいと思います。

私は現在、JENが情報共有手段としてまた、職業訓練として難民の方を対象に実施している雑誌プロジェクト「月刊誌“アルタリク(THE ROAD)”」と、支援物資としてこれまで3年にわたり配布させていただいた冬物衣服のうち、汚れや破損があったために配布しなかった不良品を再利用する女性のクラフト作りのプロジェクトに参加させていただいています。活動への参加を通して、自分はなにができるだろうか。この1ヶ月間ずっと考えていました。ピエロの格好になることで、人びとに笑顔を取り戻すことはできないだろうか。そう思ったのは、私がへたなアラビア語を話すときや、日本の話やシリアの話をするとき、共に何かの活動をするときに、人びとの楽しそうな様子を肌で感じたことがきっかけでした。

【ザ―タリキャンプ月刊誌“アルタリク(THE ROAD)”】
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今日も月刊誌メンバーは、勇んで次号の記事のためのインタビューに出かけていきました。私も同行しました。アラビア語があまりわからない私でも、取材に同行すると必ず新しい発見があります。こうして、同じときを過ごし学び、ともに考えることで、私自身もキャンプ生活に何か新しい、少しだけ楽しみに感じる何かや、小さなアイディアを提案できたらいいなと思っています。

【インタビューの様子】
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7月、キャンプ敷地内の気温は日中40度を超える日が続きます。私は、キャラバンの脇にできた木陰に、アラビア風のマットを敷き、その上に寝転びます。庭の緑を揺らすわずかな風を感じれば、なんだか少しは心地よい。その風に吹かれながら再びシリアに想いを馳せてみる。男性が教えてくれた美しい祖国シリアを想像しつつ、彼らが好んでくれるようなピエロになるべく精進していきたいと思います。

インターン生

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