シリア難民支援速報

ジャーナリスト育成ワークショップ「 若い難民のための安息所」

2015.05.14

モハマッド アル ヒラキーさん(19歳)にとって、ジャーナリスト育成ワークショップは夢への第一歩でした。

「ジャーナリストになることは子どもの頃からの憧れで、シリアからヨルダンに逃れてきた後も、それが叶うことをいつも願っていました」と語るモハマッドさんは、2012年からザータリキャンプで避難生活を送っています。

「この機会を通して、真実を自分の目で見て雑誌や新聞に執筆することを切望していました。キャンプで行われる各種イベント情報を聞くたびに、その中からジャーナリストへの道に通じるようなイベントがないかといつも考えていたところ、JENが発行している月刊誌に辿り着きました。そして、その月刊誌の編集部がジャーナリスト育成トレーニングを開催すると聞いたときは心躍りました」。

JENは昨年の4月からザータリキャンプで月刊誌「The Road」を発行しています。キャンプにはマスメディアが存在していないことから、この月刊誌はキャンプに住む難民と支援団体の双方が情報を発信できるようになっています。難民にまつわるさまざまな話や詩やレシピ、利用できるサービスの紹介やキャンプ生活の知恵などが、主に難民の方々の発信により記事となっています。

また、昨年の10月からJENは、難民の方を対象にジャーナリスト育成のワークショップを始めました。全4回のワークショップでは、執筆に関する文法、インタビューの仕方、記事の書き方、レポーティングや取材倫理に関するプログラムを15歳~24歳の参加者を対象に行いました。

一連のプログラム終了後、参加者たちは次の発刊に向けた記事の執筆と、デザイン作業の補助などを行います。

2015年4月現在、20名のボランティアがトレーニングを完了し、それぞれが月刊誌の記事を書いています。

【ワークショップの様子】
150514 ①ワークショップの様子

【参加者の声】
マリック アルザフラさん(20歳)
「キャンプ内の友人がジャーナリストのバッジを付けて、月刊誌の取材とインタビューをしていました。それを見て私もやってみたいと思い、友人にワークショップの開催予定を聞き、すぐに登録しに行きました」

アスマーさん(初めての女性参加者)
「トレーニングを通じて取材準備の大切さを学びました。インタビュー相手は常にその分野の専門家であるという認識のもと、その人物やトピックの背景について事前に調べおく必要があります」

月刊誌発行のたびに、JENでは老若男女織り交ぜて50~60名の難民の方々に取材をしています。記事は全てキャンプ内のコミュニティーから発信されており、コミュニティーの情報、サービスやイベント、暮らしの知恵などが掲載されています。

トレーニングに参加したアル ヒラキーさんは「記事には社会的責任があり、モラルが求められていることを私たちは良く理解しています。内容は正確かつ客観的であることが必要であり、個人を利するものであってはいけないことを常に心がけています 」と話してくれました。

【第1回ワークショップの修了式】
150514 ②修了式

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jordan