2023年2月に発生した地震によって、トルコ南東部では大きな被害を受けました。犠牲者は5万人以上にのぼります。
多くの建物が地震により倒壊し、被災地では震災発生から1年以上が経過した今でも、がれきの撤去作業が行われているところもあります。さらに、その影響で多くの人びとが、密集したテントやコンテナでの生活を余儀なくされているため、調理する場所がほとんどありません。そのため、清潔な水と温かい食事を取ることのできる炊き出し施設は、現在も被災者にとって重要なライフラインとなっています。
被災した地域の中でも、ハタイ県の被害は最も大きく、5,700ほどの建物が倒壊しました。ハタイ県では現在、11か所の炊き出し施設が被災者の支援を行っています。
しかし、これらの施設は運営費用を寄付で賄っており、運営が不安定な状況です。施設スタッフもまた、震災のトラウマを抱えた被災者が担っています。
JENはトルコ・ハタイ県で、現地のNGO団体(SAHA)と協力して、炊き出し施設の支援を開始しています。具体的には、食材や消耗品等を提供することで、その運営を支援します。さらに、震災の被害を受けた施設スタッフに対してこころのケアを行い、心理的不安の緩和に努めていきます。
合わせて、炊き出しの役割が終了した後も、施設スタッフが活動を通して身につけた技術によって、収入を得ることができるような仕組みづくりも目指します。施設スタッフ自らが、例えば焼き菓子やドライフルーツの販売といったような次の事業を立案・実行できるよう、コンサルティングセッションを行うなどのサポートを行います。
始まったばかりのプロジェクトですので、これからも情報発信を続けていきます。
引き続き、皆様のご関心をお寄せ頂けましたら幸いです。
トルコの南側中心に位置するハタイ県(右下地図の黄色い部分)。この地震による被害の約4割を占めるともいわれています。
支援対象候補のこちらの炊き出し施設では、簡易テントを建て、その中で炊き出しを実施しています。
こちらの候補施設では、コンテナを設置し、炊き出しを行っています。