「リトルなでしこ」とアンマンの公立女子中等学校のサッカークラブに所属する女子生徒の交流会の裏話になりますが、日本サッカー協会と交流会開催の合意から開催日までの準備期間は3日でした。当初、交流会は公立学校で開催されることになっていたため、ヨルダン教育省の許可取得が必要でした。同省体育課の課長さんの賛同・推薦状を得て、申請の翌日に異例のスピード承認となりました。
時間がなく、同時並行で話が具体化していく一方で、開催実現に向けて様々な人が前向きに受け止めて協力してくれました。そもそも、初めから唐突な話だったにも関わらず、交流会に参加する女子生徒と急ぎで調整して下さった女子中等学校の校長先生。更に、開催日の前の晩に会場と時間の変更を強いられたにも関わらず、地元政府の教育局スポーツ課の職員と、同僚の教員、女子生徒たちに前向きに説明をしてくれました。
アンマンの女子生徒たちは、課外時間にスタジアムに行けるようにイベント当日に両親から許可を取りつけることが必要で、両親を納得させるために喧嘩をしてしまった子も多かったと思います。1人で借り上げバスまで歩いて来た子の表情は硬くこわばっていました。女子生徒を車で学校に送り、スタジアムに引率する教員に対して「こんなに直前にいったい何ですか」と詰め寄ってきたお母さん。「先生の電話番号を聞くまで娘を出せない」と言ってきたお父さん。バスが学校を出発するまでドラマがありました。それでも最終的に、当団体と学校の先生、さらには自分の娘たちを信じて任せて下さったご両親には感謝の気持ちでいっぱいです。
JENの現地職員も、今回の調整は非常にチャレンジングだったと思います。三日後に交流会が開催されるという事実以外は、全てが不確定で、当日に大きな予定変更もあったため、交流会が無事終了するまで固唾を飲んで見守っていたと思います。複数の案件の仕事を同時に抱えながら、学校や地元政府、中央政府へ掛け合い、また直前の変更でも文句ひとつ言わずに調整に奔走してくれました。ヨルダンの公立学校には、日本同様にスクールバスの送迎はありません。交流会が開催される当日の朝6時半、まだ女子生徒の親の許可が得られるか不確定な中で、万が一許可が得られることが午後1時半には確信できた場合、午後4時に学校出発でスタジアムに生徒21人を送迎できるバス1台を借り上げたい、というリクエストに快く応えてくれた現地職員。時間に猶予がなくて、全てが、「万が一」という仮定のもとに同時進行していたにもかかわらず、今回の交流会が実現したのは、職員を含め様々な人の惜しみない協力を得ることが出来たおかげでした。
最後に、地元の学校に通う女子生徒との交流会を快諾し、素晴らしい機会を与えて下さった日本サッカー協会女子部、また練習で忙しい合間を縫って参加をして下さった日本代表チームの皆さまに厚く御礼を申し上げます。
また、国連ユニセフ・ヨルダン事務所のご協力にも心より感謝を申し上げます。
アンマン事務所ホストコミュニティ事業担当
シニア・プログラムオフィサー 荒木名穂子
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