シリア難民(トルコ)支援速報

ある日の炊出し施設での風景

2024.11.05

今回は、スタッフが炊出しのお手伝いをさせていただいた時の様子をお届けします。

前回お伝えしたように、街中には崩れてしまって人気のない建物がたくさんありました。そのような状況でも、人びとの生活は続いていきます。子どもたちのいる家庭にとって、学校生活もその大事な要素の一つ。
ジェンが支援している炊き出し施設の一つは、小学校のすぐ前の敷地で運営されています。この学校に通う子どもたちの多くもまた、テントやコンテナ住宅から通学しており、かつ経済的に困窮している家庭が多いことも相まって、温かい食事をとれていないことも多いことがわかりました。

そのような子どもたちが、お昼休みに炊き出し施設へ昼食をとりにきます。先生たちに引率されて食事の列に並ぶ子どもたちは、その日はジェンの日本人スタッフがいることに気づいたようです。スタッフから食事を受取る際に、先生から教えてもらったのか、日本語で「アリガト」とはにかみながら言ってくれました。

ジェンのスタッフも炊出しのお手伝いをさせていただきました

この日のメニューは鶏肉と野菜の炒め煮、ピラフ、そしてリンゴでした。ジェンが支援を始める前は、お肉がメニューに加わることはほとんどなく、豆類が中心だったといいます。育ち盛りの子どもたちに、バランスを考えたメニューを提供できるようになって、本当にうれしいと、施設のスタッフが話してくれました。

施設のスタッフは、子どもたちのお昼休みの間に食事を提供できるよう、大忙しです

食事が終わると、何人かの子どもたちが敷地内で遊び始めました。ここはかつて幼稚園があった場所ということもあり、今も遊具が残されているのです。深刻な被害を受けた街で生きている子どもたちにも、子どもらしく笑って遊べる時間があることがわかり、見ているこちらも少しだけほっとした気持ちになりました。それと同時に、自らも被災者でありながら、子どもたちや地域の人びとの生活を支えている、炊き出し施設のスタッフの前向きな姿勢と力強さに、尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。

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