トルコは動物を大事にする国としても有名です。
今回の出張で訪れた場所では、街の色々なところで猫の姿を見ることができ、街の人びとに温かく見守られている様子が確認できました。
出張中は、現地にいられる時間を最大限に活用しようと、朝から晩まで視察や打ち合わせを詰め込みがち・・・息つく暇もないような、過密なスケジュールになってしまうことがあります。ただ、忙しすぎて頭がいっぱいになりすぎても、いい仕事ができないのもまた事実。
少し頭を緩めてリラックスする時間も必要・・・と思っていた時に、最高の癒しを与えてもらえる場所を、宿泊施設の一角で見つけました。
朝食会場の横にあるキッチンガーデンに、猫の家族が暮らしていたのです。
こちらに滞在していた期間は毎朝、窓際の席に陣取り、子猫たちがぴょこぴょこと飛び回る様子を見ながら朝食をいただいていました。
あまりゆっくりもしていられないので、後ろ髪を引かれる思いで席を立つのですが、毎朝の癒しのひとときに助けられ、無事に帰国することができました。
みなさんの癒しはなんですか・・・?
今回は、スタッフが炊出しのお手伝いをさせていただいた時の様子をお届けします。
前回お伝えしたように、街中には崩れてしまって人気のない建物がたくさんありました。そのような状況でも、人びとの生活は続いていきます。子どもたちのいる家庭にとって、学校生活もその大事な要素の一つ。
ジェンが支援している炊き出し施設の一つは、小学校のすぐ前の敷地で運営されています。この学校に通う子どもたちの多くもまた、テントやコンテナ住宅から通学しており、かつ経済的に困窮している家庭が多いことも相まって、温かい食事をとれていないことも多いことがわかりました。
そのような子どもたちが、お昼休みに炊き出し施設へ昼食をとりにきます。先生たちに引率されて食事の列に並ぶ子どもたちは、その日はジェンの日本人スタッフがいることに気づいたようです。スタッフから食事を受取る際に、先生から教えてもらったのか、日本語で「アリガト」とはにかみながら言ってくれました。
この日のメニューは鶏肉と野菜の炒め煮、ピラフ、そしてリンゴでした。ジェンが支援を始める前は、お肉がメニューに加わることはほとんどなく、豆類が中心だったといいます。育ち盛りの子どもたちに、バランスを考えたメニューを提供できるようになって、本当にうれしいと、施設のスタッフが話してくれました。
食事が終わると、何人かの子どもたちが敷地内で遊び始めました。ここはかつて幼稚園があった場所ということもあり、今も遊具が残されているのです。深刻な被害を受けた街で生きている子どもたちにも、子どもらしく笑って遊べる時間があることがわかり、見ているこちらも少しだけほっとした気持ちになりました。それと同時に、自らも被災者でありながら、子どもたちや地域の人びとの生活を支えている、炊き出し施設のスタッフの前向きな姿勢と力強さに、尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
ジェンは、「地震発生から1年。ハタイ県で支援プログラムを開始しています。」でご紹介した通り、2023年2月に大震災に見舞われた、トルコのハタイ県で支援活動をしています。今回から数回にわたり、本部スタッフが現地視察に行った際の様子をお届けいたします。
ハタイに入り、間もなく目に飛び込んできたのは、生々しい震災の爪痕。崩壊してしまった住居と思しき建物、窓が破れて人の気配を感じさせない建物、クレーン車での取り壊し作業も所々で目にしました。
そして次に気づいたのは、コンテナ住宅の多さです。「コンテナシティ」と呼ばれる大規模なものから、数十のコンテナが設置されている比較的小規模なものまで、街のいたるところにコンテナ住宅がありました。エアコンの室外機が設置されているのが外から確認できたものもありましたが、全てのコンテナに標準で装備されているわけではないそうです。私たちが訪れた時は、まだ5月だというのに、直射日光の下では45℃にもなっていました。エアコンがないコンテナの中で過ごすのは耐え難いことが、容易に想像されます。コンテナは暑すぎるからと、未だにテントで暮らす人びともいます。
コンテナ住宅にはきちんとした台所がなく、自分で食事を準備したくても、調理は困難です。そうなると、缶詰などの保存食のようなものに偏ってしまい、長引く避難生活で心身ともに負担が大きくなります。そのため、今でも炊出しの需要が高く、今も多くの人が集まります。
次回は、被災した人びとを支える、炊出し施設の様子をお伝えします。
2023年2月に発生した地震によって、トルコ南東部では大きな被害を受けました。犠牲者は5万人以上にのぼります。
多くの建物が地震により倒壊し、被災地では震災発生から1年以上が経過した今でも、がれきの撤去作業が行われているところもあります。さらに、その影響で多くの人びとが、密集したテントやコンテナでの生活を余儀なくされているため、調理する場所がほとんどありません。そのため、清潔な水と温かい食事を取ることのできる炊き出し施設は、現在も被災者にとって重要なライフラインとなっています。
被災した地域の中でも、ハタイ県の被害は最も大きく、5,700ほどの建物が倒壊しました。ハタイ県では現在、11か所の炊き出し施設が被災者の支援を行っています。
しかし、これらの施設は運営費用を寄付で賄っており、運営が不安定な状況です。施設スタッフもまた、震災のトラウマを抱えた被災者が担っています。
JENはトルコ・ハタイ県で、現地のNGO団体(SAHA)と協力して、炊き出し施設の支援を開始しています。具体的には、食材や消耗品等を提供することで、その運営を支援します。さらに、震災の被害を受けた施設スタッフに対してこころのケアを行い、心理的不安の緩和に努めていきます。
合わせて、炊き出しの役割が終了した後も、施設スタッフが活動を通して身につけた技術によって、収入を得ることができるような仕組みづくりも目指します。施設スタッフ自らが、例えば焼き菓子やドライフルーツの販売といったような次の事業を立案・実行できるよう、コンサルティングセッションを行うなどのサポートを行います。
始まったばかりのプロジェクトですので、これからも情報発信を続けていきます。
引き続き、皆様のご関心をお寄せ頂けましたら幸いです。
トルコの南側中心に位置するハタイ県(右下地図の黄色い部分)。この地震による被害の約4割を占めるともいわれています。
支援対象候補のこちらの炊き出し施設では、簡易テントを建て、その中で炊き出しを実施しています。
こちらの候補施設では、コンテナを設置し、炊き出しを行っています。
今回はトルコの駐在員原口から現地のランチ事情をお伝えします。
今私は、ジェンと協働で事業を実施しているトルコ現地のパートナー団体Orange(オレンジ)と、トルコのガジアンテップ県という地域にある彼らの事務所で働いています。どんな場所に行っても、毎日の仕事の中でランチの時間は待ち遠しいです。今日もランチの時間がやってきました。
パートナー団体の事務所には、そこで働くスタッフ用の食堂があります。と言っても、ランチはケータリングで運ばれてくる週替わり弁当です。コロナ渦以前は、掃除兼食事係のおばちゃんが、スタッフ約40人分のランチを毎日作ってくれていたようです。
しかし感染予防の観点から、今は週替わりのケータリングに変わってしまったそうです。(私としては、おばちゃんの手作り料理が食べてみたかったのですが)
今日のメニューはモロヘイヤとピラウ。一瞬、「えっ?おいしいん?」と思った人が多数いらっしゃると思います。私もその一人です。
モロヘイヤは、この料理に入っている、中東ではよく使われる野菜の名前で、そのまま料理の名前となっています。それに混ざっているのが、鶏肉やにんにく、とうがらし、トマト少々そしてたっぷりの油です。写真に写っている以外に、この料理の中でもレモンがふんだんに使われていて酸味があります。
味は、酸味のある食べるラー油の塩味たっぷりバージョン(?)となかなか例えるのが難しい味です。笑 ピラウにかけて食べることを想定して作られているため、かなり濃い味になっています。
そして、これは現地の人でも、とても好きか、とても嫌いかの両極端に分かれるそうです。まぁ、私としては、味を薄めに、そして油ではなくもう少しスープのようにしてくれればOKって感じかなと思います。
一方のピラウは、必ず脂+塩か何かで味付けされたものしかありません。残念ながら白いごはんはないのです…。
その翌日のランチ アイラン(左)とアラビア語でチキンシャオルマまたはトルコ語でドルネ(右)。提携団体スタッフはシリア出身者が多いため、2つの呼び名で呼んでいるようです
ちなみに次の日のランチは、チキンシャオルマ(アラビア語、トルコ語ではドルネ)とアイラン。
チキンシャオルマは、聞いたことがあるかもしれませんが、鶏肉の塊をグリルしそこから薄く削り取った肉片を、チャパティのようなうすいパンに詰めて巻いたものです。それに酸っぱくてこれまた塩味たっぷりの、キュウリなど野菜のピクルスがついています。そして、ケチャップマヨネーズがどっさりです。
アイランは、塩味の飲むヨーグルト。これは、結構くせになる私のお気に入りです。
こんな毎日の食事で、私の体重と健康状態はどうなっていくのだろうとやや不安になりつつ、やっぱり今日もランチの時間が待ち遠しいです。