2012年7月に開設されたザータリキャンプは、もともと6万人の難民の受け入れを前提として設置されましたが、日々数千人単位もの新たな難民の到着が続き、キャンプ人口は急激に膨れ上がりました。
キャンプ人口は既に10万人を超えており、ヨルダン国内において5番目に大きな都市と数えられるまでになりました。人口が増大するにつれ、窃盗や火災の発生など、安全を脅かす問題が多発することとなりました。
テント内で使用する料理用ガスの爆発や、不法に引いた電線のショートなどを原因として、毎日のようにキャンプ内でテントの火災が発生しています。これらの火事により焼け出され、着の身着のままとなってしまうキャンプ住民も少なくありません。
3月にキャンプ内で30ものテントが焼失する火災が発生しました。ラナはその火災により被害を受けたひとりです。彼女は夫及び7人の子どもとともに今年の1月からキャンプに暮らしていますが、この火災でテントと僅かな所持品を全て失いました。「火事は午後12時に起こりました。テントが隙間なく立ち並んでいたため、炎はあっという間に私たちのテントまで燃え広がりました。幸いなことに怪我人は出ませんでしたが、炎は全てを焼き尽くしてしまいました。」
これを受け、JENはこの火災により家財を失ったシリア難民家族90世帯に向けて衣料品配布を行いました。配布活動はJENとキャンプ・コミュニティ住民との協力により実施しました。
テュリサ・ルシアンダリ(プログラム・オフィサー)
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。ご寄付は、こちらから受け付けております】
今回私たちは、事業地のひとつであるマフラック県郊外のスヘイバ・アルミ男子小学校より、JENによる学校修復と衛生教育活動を称える祝賀会に招待されました。
祝賀会は同地域の教育局長の賛助により行われ、学校玄関にはこの日のために作成された特性垂れ幕が掲げられていました。会ではJENの活動に対し感謝を述べるスピーチや歌の発表など、この日のために準備された素敵な催しが披露されるとともに、この地域の伝統小物が記念品として贈られました。
ジャパン・プラットフォームと皆様のご支援を受け、これらの学校に喜びと幸せが広がることを願って活動を進めています。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】
プログラム・アシスタント/サルワ・アルジャマ
今回は水衛生委員会の活動進捗についての報告です。JENは現在ユニセフの協力のもと、キャンプの10居住区画全てにシリア難民主体の水衛生委員会を立ち上げ、活動をサポートしています。
最初の水衛生委員会を立ち上げてから約3か月が経ち、議論も活発になってきました。現在、週1回行われている委員会のミーティングでは、公共の衛生設備(トイレ・シャワー等)の整備・管理の方法等を中心に議論が繰り返されています。
また、ミーティングの運営方法や議事録の記録方法等のトレーニングも実施しており、あわせて委員会メンバーの能力強化にも取り組んでいます。
現在、ミーティングの運営はJENのフィールドスタッフが中心となって行っていますが、近い将来委員会の代表が自ら運営を行うようになるはずです。
気温の上昇とともに(日中は30度を超える日々が続いています)衛生環境が悪化しており、どのように対処していくのかが現在キャンプの直面する緊急課題の一つになっています。JENでは水衛生部門の他の団体と水衛生委員会のメンバーも含めて、衛生知識の幅広い普及に向けて取り組んでいます。
JENはマフラック県およびイルビット県の10校で衛生教育キャンペーンを行いました。衛生教育キャンペーンでは、トレーニングを受けた教員がJEN制作の教材を使用して、生徒に対して衛生授業を行いました。
【アルナハダ小学校でのJEN衛生教育教材を使用した授業の様子】
衛生授業で使用された低学年向けの小冊子は、読み手である子どもたちと同年代の主人公、サラとアフメッドが衛生に関して学んでいく物語形式となっており、ゲームなども織り込まれています。これは授業で使用される以外にも、読み物として楽しみながら衛生について学んでほしいという思いからJENスタッフが考えたものです。
衛生教育キャンペーンの後、モニタリングのために訪れた学校では、この小冊子についてとても興味深い話を聞くことができました。
マフラック県のヘイアルダラア小学校の校長先生によると、学校ではこの小冊子の主人公であるサラとアフメッドをまねる遊びがはやっているそうです。ある女子生徒に話を聞くと、すっかり小冊子の内容をそらんじており、得意げに内容を説明してくれました。
小冊子を受け取った生徒が自分の兄弟姉妹に小冊子の物語を読んで聞かせてあげている、との話も聞きました。また、ある生徒は「お父さんやお母さんにもちゃんと手を洗わないとだめだよって教えてあげているんだ」と話してくれました。
【「弟たちにサラとアフメッドのお話を読んで聞かせてあげたよ」と教えてくれたオマール・ビン・ハタブ小学校の男子生徒】
JENの衛生キャンペーンは学校での活動を中心としていますが、このように衛生授業を受けた子どもから両親、兄弟といった家族へと効果が波及し、コミュニティ全体が衛生的環境を保っていくことも期待しています。
この事業は、ジャパン・プラットフォームと皆様のご支援で進められています。
ヨルダンのザータリ難民キャンプの開設からの登録者数は累計約20万人(UNHCR4月15日現在)となっており、シリア国内の状況が不透明な中で、今後もヨルダンへの難民流入が続くことが予想されます。
そうした状況を受け、UNHCRの公式発表にあるようにヨルダンとサウジアラビア国境に近いアズラック(アンマン市内から車で90分ほど)に新たな難民キャンプが開設されることになり、先日キャンプの開設予定地の視察に行きました。
新たなキャンプは、写真からも分かる通り砂漠地帯のど真ん中に位置しています。飲料水を含めた水資源の確保が緊急の課題の一つとなっています。
現在ジェンでは、関係機関との調整を進め、新たなキャンプでのニーズと支援実施の可能性について調査を進めています。
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JENでは、シリア難民緊急支援へ、ご寄付を募っております。
皆様のご協力、ご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
クレジットカードによるご寄付は、こちらから。
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