JENのホストコミュニティープロジェクトでは支援者の皆さまとUNICEFの協力を得て、公立学校3,545校を対象とした大規模なアセスメント(調査)を開始しました。
JENは約700校以上を2年前に調査しましたが、全校の調査結果を教育省および他団体と共有し、さらなる支援に向けて優先順位を決めるため、調査する必要のある学校がまだまだたくさんあります。
包括的なアセスメントの質問状は、学校の置かれている環境や、一般的情報からトイレ設備、水道管、水質、排水・下水設備、そして保健衛生の様子などを網羅しています。
ヨルダンのほぼ全域から17名の調査員が参加して、12月にアセスメントをスタートさせました。アセスメントを行うにあたってぶつかると思われる問題について、調査員とそのスーパーバイザーたちは毎週ミーティングを開き、話し合っています。またこのミーティングは、新たに調査員として加わったスタッフが必要な知識やスキルを向上させるためにも重要なものとなっています。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】
普段は特に気にすることも少ない日々の生活排水ですが、もしも下水道がなく流す場所がなくなったらどうなるでしょうか。炊事・洗濯・トイレの水を排水できない状況というのを想像できるでしょうか。
JENが支援活動を行っているザータリ難民キャンプには8万人超の方々が避難し、約2万世帯が暮らしています。しかしながら、各家庭から生活排水を流す下水道が通っていないのが現状であり、仕方なく屋外に流すしかありません。
【家庭から生活排水が流れている様子】
汚水は高地から低地へと流れて滞留するため、近隣の衛生環境が悪化します。加えて、11月から1月まではヨルダン全域が雨季に入るため、生活排水に降水も加わり、水はけが悪いキャンプでは中々滞留した水がなくなりません。
【生活排水が滞留した地域】
そこでJENは他団体と協働で、各家庭から出る排水の上に、吸水性に優れたユーカリを植えるプロジェクトを開始しました。
難民の方々が各家庭で汚水を溜める穴を掘り、支援団体の専門家がパイプ、白石を積んだ上で植林を行います。難民の方々も共同で作業を行うことによりオーナーシップが芽生えて大切に管理されます。
現在JENは特に汚水が多い住居の密集地域で重点的にプロジェクトを進めていますが、近隣の成功を見ることにより今まで興味を示されなかった方々の参加も散見され、コミュニティーではちょっとした流行の様を呈しています。
【植林用の穴を掘っている様子】
【パイプ、白石を敷き詰めている様子】
【植林用の苗を受け取った子ども】
汚水問題を抱えているコミュニティーはまだ多数あることに加え、あと2か月ほどは雨が頻繁に降ることが予想されます。しかしながら、近隣世帯の成果に感化された住民が少しずつ本プロジェクトに興味を示し始めるという好循環が生まれています。キャンプ生活が少しでも快適になるよう、今後も支援活動を行ってまいります。
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UNHCRや他の関連団体と調整を重ねてきた衣料品の配布プロジェクト(準備編はこちらをご参照ください)。
2014年11月9日~12日と19日に、ヨルダンのアズラック難民キャンプで生活する難民全員を対象に、ユニクロとLutheran World Federation (LWF, ルター派世界連盟)からご寄付いただいた冬服を配布しました。
【配布センターの窓口の様子。窓口は男性用と女性用に分かれています】
アズラック難民キャンプではビレッジ(村)制が採用されており、それぞれのビレッジにコミュニティ・サービス・センターが設置されています。衣料品の配布については、事前にこれらのコミュニティ・サービス・センターに告知が掲示されたほか、コミュニティ・サービスを担っている団体のアウトリーチチームが、住民に口頭で配布の日程を伝えていました。
11月9日は家族の人数が1~3名、10日は4~6名、11日は7名以上、12日と19日は指定日に受け取りにこられなかった家族を対象に衣料配布を実施しました。
【衣料品を受け取りに来た若い男性。写真撮影をお願いすると少し緊張した面持ちでポーズをとってくれました】
【受け取った衣料品とともにお父さんを待つユーセフ君(5歳)】
【衣料品を受け取りに来たお母さんに抱かれていた赤ちゃん】
【受け取ったジャケットを着てポーズをとるラガットちゃん(9歳)。3ヶ月前に家族7人でアズラック難民キャンプに到着したそうです】
配布した衣料品のサイズに関する若干のクレームがあったものの、難民の方々の反応は上々でした。配布センターでJENスタッフとともに配布をサポートしてくださった他団体の女性スタッフが「この服、日本のブランドのものだよね? 私も1セット欲しいな」と嬉しいコメントをしてくれたこともありました。今回配布した衣料品が、アズラック難民キャンプで過ごす冬の厳しさを少しでもやわらげてくれることを祈っています。
アズラック難民キャンプ在住の難民と新規難民の負担を少しでも軽減し、ニーズに応えるため、JENは日本からの支援に支えられつつ、日々活動しています。
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【JEN設立20周年記念の取り組みについてはこちら】
11月に入って、ヨルダンでも朝夕はぐっと冷え込むようになり、冬の到来を感じさせられます。JENは、2014年4月30日から新たに運営が開始されたアズラック難民キャンプで衣料配布を行うべく、UNHCRや他の関連団体と調整を重ねてきました (アズラック難民キャンプを初めて訪問した際の様子はこちら) 。
その結果、11月中旬に、アズラック難民キャンプで生活する難民全員およびキャンプに到着する新規難民を対象に、ユニクロとLutheran World Federation (LWF, ルター派世界連盟)から寄付していただいた冬服を配布出来ることになりました。
【アズラック難民キャンプの倉庫に届いた冬服】
配布のためには、ベールやダンボールを開梱し、衣服をサイズや種類別に分けた後、個人用(男性・女性・子ども・乳幼児など)のパッケージを作る必要があります。
今回、その作業はアズラック難民キャンプ在住の難民ボランティアに、有償で依頼することになりました。アズラック難民キャンプのコミュニティセンターを運営している団体の協力を得て、候補者のリストに電話をかけ、必要な数のボランティアを確保しました。脆弱な立場に置かれている女性たちを少しでもサポートするため、ボランティアの半数以上は女性を選びました。
【作業に従事するシリア難民ボランティア。 写真では分かりづらいですが実際には半数以上が女性です】
【乳児用・子ども用のパッケージの例】
アズラック難民キャンプには、ザータリ難民キャンプ内にあるような市場は存在せず、1軒だけあるスーパーマーケットで販売されている衣服はそれなりの価格がつけられているため、越冬支援のための衣服を配布する意義は大きいと言われています。
衣料がアズラック難民キャンプの倉庫に届いたのが配布予定日の1週間前だったため、配布まで限られた時間しかありませんでしたが、JENのヨルダン人スタッフの必死の働きと難民ボランティアの貢献により、何とか間に合わせることが出来そうです。
アズラック難民キャンプ在住の12,000人と新規難民の負担を少しでも軽減し、ニーズに応えるため、JENは日本からの支援に支えられつつ、日々活動しています。
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世界手洗いの日は、石鹸で手洗いをするということを啓発するため、2008年に初めて行われました。その後毎年10月15日に行われ、下痢、風邪やインフルエンザなどの予防に一役買っています。
【世界手洗いの日のキャラクター】
清潔にすることはヨルダンやシリアなどのイスラム教の国々でも生活に重要なものとして位置づけられています。しかし、ザータリ難民キャンプで暮らしている子どもたちに石鹸を使った正しい手洗いの仕方が定着しているとはいえず、手洗いが身に付くことで子どもたちの健康を保つことができます。これはジェンが日々行っている活動です。
ジェンは今年、ヨルダン北部にあるザータリ難民キャンプで世界手洗いの日のイベントを子どもたちと一緒に行い、食事前、トイレの後、汚いものをさわった後に、石鹸で手洗いをするということを啓発しました。
この日は大変盛り上がり、子どもたちはただ座って聞いているのではなく、活発に動いてイベントに参加していました。2地区に住んでいる子どもがこのイベントに参加するため招かれ、衛生や手洗いに関するゲームを行いました。病原菌を例えるために彼らの手がインクで塗られたときは、とても楽しそうでした。次に、3人の子どもが同時に目隠しをし、石鹸で手洗いをして病原菌を落とします。その中で最もきれいにインクを落とした子、あるいは一番上手く手洗いができた子が勝者となりました。
その後も手洗いを意識づけようと少年たちがおもちゃに色を塗ったり、楽しそうに取り組んでいました。
【女の子が手洗いをし、小さい男の子がそれを見ている様子】
【石鹸で手洗いをすることを教えられている少年たち】
また、キャンプ内にあるジェンが活動している地区で、世界手洗いのキャラクターの着ぐるみを着たスタッフがウォーキングツアーを行いました。このライブショーは子どもと一緒に遊びながら、目に見えるように衛生のメッセージをわかりやすく発信することができる有効なアプローチです。また、スタッフが着ぐるみを着て変装して行うことで、伝統的な考えや文化的な背景にある慣習というものに捉われることなく、自由な形で衛生に関するメッセージを発信することができました。
【世界手洗いの日のキャラクターとともにきれいになった手を掲げている子どもたち】
ジェンが行っているもう1つのイベントで、おそらくキャンプ内でもっとも多くの人に知られているのが、サッカーゲームです。このゲームでは、子どもたちが“せっけん”チームと“ばい菌”チームに分かれてサッカーします。“せっけん”チームは青色のリボンをつけ、“ばい菌”チームは茶色のリボンをつけて、識別します。そしてジェンスタッフがゲームの審判役になります。
今回の試合では、残念なことに3試合中2試合“ばい菌”チームが勝ちました。しかしジェンスタッフはすかさず、この状況について子どもたちに「きちんとせっけんで手を洗えば、次回の試合ではばい菌チームに勝てるよ!」と伝えました。
【“ばい菌”チームがボールをうばったところ】
【女の子が最初にボールを奪い取った瞬間】
サッカーの試合は他の観客や大人たちにとっても楽しいものです。試合中は、多くの応援、エールが試合をするそれぞれのチームの子どもたちに送られます。他の地区の住民も、試合を観戦するために足をとめ、拍手やエールを送るほどでした!
そして夕方、試合終盤のペナルティキックの場面では、すべてのコミュニティでの活動が終了したジェンスタッフも、地区の大人たちと一緒に声援を送りました。
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