毎年行われている事前事後調査(KAP調査)が2015年12月に5日間行われました。
ザータリキャンプ全体で行われるこの調査では、水及び衛生環境に関わる難民の知識、行動、習慣を調べ、その結果に応じて新規のプロジェクトが立ち上げられることがあります。
この調査は、4年前にJENの主導で他の機関との協力によって開始され、年々改善されてきています。
本調査の質問は、飲料水、衛生環境、食糧、健康、下水設備(現在整備中)など多岐にわたります。
調査チームは性別、所属機関、職務経験が偏らないよう配慮されています。午前9時から午後3時まで、不作為に選ばれた家庭を各チームが訪問します。
まず、当日のスタッフ欠勤については、チーム間の調整により他の人員を充てることができました。また、昨年は通話機器の故障が大きな問題になりましたが、予備を用意することにより各チーム間で円滑に連携が取れ、大幅な延長もなく調査を終えることができました。
経験のあるスタッフとないスタッフが一緒に調査を円滑に行えるかは大きな関門でしたが、日々の問題を一つずつ解決していくことにより、無事に調査を終えることができました。
データ収集終了後、調査に参加した全員に向けて修了式が開催されました。全員で昼食を一緒に取り、調査の経験を共有しました。式では、全員に修了証が授与され、JENが感謝の意を述べました。収集されたデータはまとめられ、近日中に報告書が出される予定です。
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JENは水衛生設備の修復と衛生意識向上セッションを通じて衛生環境改善に取り組んでいますが、生徒たちがより確実に実践出来るように、冊子と衛生キットを配布しました。
上の写真は配布したものを受け取って喜んでいる生徒たちの様子。
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中東にあるヨルダンは、日本の北海道(83,424 km2)とほぼ同じ面積(92,300 km2)の小さな国です。非産油国で海外の燃料・食料価格動向の影響を受け、水資源にも乏しく、目ぼしい外貨獲得手段のない脆弱な社会・経済構造を有しています。
西にイスラエル、東にイラク、また南はサウジアラビア、北はシリアに囲まれ、地域の治安情勢の影響を受けやすく、これまで周辺国からパレスチナ難民とイラク難民を受け入れてきました。パレスチナ難民の流入は第三次中東戦争以降に始まり、現在では全人口約750万人の約3分の2をパレスチナ系住民が占めているといわれます。
更に2011年に発生したシリア危機により、同国に大量のシリア難民が押し寄せました。約430万人の難民のうち、ヨルダンでは現在約140万を受け入れているといわれています(このうち約63万人が国連難民高等弁務官事務所UNHCRに難民登録・認定済)。これは、ヨルダンの全人口の約19%、ほぼ2割に達します。
ヨルダン政府は、景気の改善や財政赤字の削減に取り組む一方、国家予算の約四分の一を難民支援に充当しており、急増するシリア難民の受け入れによって一層厳しい財政状況に陥っています。
あまり知られてはいませんが、シリア難民の8割以上が、難民キャンプ外の「ホストコミュニティ」と呼ばれるヨルダンの一般社会で暮らしています。そしてその多くは都市部に居住しています。
ヨルダン政府は、難民登録・認定をしたシリア難民の子どもに教育の機会を提供しています。2015年度にヨルダンの公立学校に入学したシリア難民の生徒数は143,500人で、前年度に比べて約60%増加しました。2016年度は、更に50,000人のシリア難民生徒の受け入れを予定しています。同国にいるシリア難民140万人の半数が子どもと言われており、今後もヨルダンの公立学校に就学するシリア難民生徒の更なる増加が見込まれています。
将来シリア危機が終結し,シリア人が母国に帰還して再建を担うために、ヨルダンでの教育の機会は大切です。しかしながら、シリア人難民生徒の増加によって、受け入れる側のヨルダンの公立学校では、インフラも教員も不足し、教育の質の低下、校内暴力が問題になってきています。シリア人難民の生徒を受け入れるため、現在100校(全体の約3%)近くの公立学校が2交替制を導入しています。すでに厳しい財政状況のヨルダン政府にとって、学校のインフラ整備や教員の負担軽減に対する投資は困難で、公立学校は多大な負担を余儀なくされています。2交替制の学校の大半は、午前をヨルダン人生徒、午後をシリア人生徒に分けています。
【小学校1年生の教室では、2人掛けの机で3-4人の子どもが勉強しています】
【全校生徒で埋め尽くされた校内には余分なスペースがありません】
ドナー国は、ヨルダン政府と連携し、2019年までにこれらの2交替制の午後の学校を撤廃し、シリア人の生徒も午前開始の学校に組み入れて通学できるような支援をする方針を打ち出しました。シリア人生徒が教育の機会を取り戻すことによってシリア危機で失われた世代(No lost generation)を生み出さないこと、またヨルダンの公立学校への負担軽減を目指しています。
ホストコミュニティで暮らすシリア難民の教育危機を回避するためには、難民を受け入れる国の人びとに対しても同様に支援をすることが必要なのです。
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日本の皆さんは、小さい頃に手の洗い方や掃除の仕方を習ったことを覚えていますか?
このような行動が、病気から身を守り、衛生的な生活につながっていることを実感している人は、少ないかもしれません。
世界の国で日本のように、トイレ使用後は自然と手を洗い、言われなくてもトイレ・手洗い場をきれいに使い、道にゴミすら落ちていない所は少なく、衛生という観念がない生活を送っている人が沢山います。
特に難民が多く暮らす地域では、整備の整っていない地域に人が密集するため、些細なことで病気が蔓延するのです。日本では考えられないことです。
JENではこのような病気の蔓延を防ぎ、衛生的な生活を送れるようにするために、難民キャンプや地域の小学校で衛生養育に力を入れています。子どもたちに衛生的な行動が身に着き、家庭へ引き継がれるように、学校とも協力しながら行っています。
【写真は衛生教育の一環として、生徒が関連する劇を発表しているところ】
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いつも車の通る道端や、工事現場で重機に囲まれて何となく過ごす子どもたちの生活環境改善を目指し、広場を作っている様子。
詳しくはニュースレター等で、今後お知らせします。
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