11/10に日本を出発し、そこから関空、ドバイ、ナイロビと経由してそこで1泊。ようやく翌朝ナイロビから南スーダンの首都、ジュバに飛んで、12日の夕方にスーダンに入りました。
目的はChabo!の寄付の視察です。みなさんにスーダンの様子を幅広く知っていただきたいので、フジテレビのサキヨミのクルーにも同行してもらいました。11/30のサキヨミ内「アスヨミ」というコーナーで、放送予定です。
国際貢献とは何か、アフリカの貧困状態はどうなっているのか、内戦・戦争の影響、病気の恐ろしさなど、一通り、浴びるように関連書籍は読んでいったつもりですが、それでも、現実はそれをはるかに越えるものでした。
まず、21年間の内戦によって失われてしまった社会資本の大きさ。道がない、電気がない、水道がない、法律がない、税金徴収制度がない、郵便制度がない、通信設備がない、もう、すべて、ないないづくしです。他の国がなければそれでもいいのでしょうが、スーダンだけが立ち後れてしまっているため、国内に貧困が蔓延してしまいます。
当たり前に、裸足の子ども、腕が細くおなかが突き出た栄養失調の子どもたちが歩いています。100人の子どものうち、スーダン平均で7人が5歳までにコレラやマラリア、栄養失調で死亡します。私たちが支援をしているのは中央エカトリア州のラーニャ郡というところですが、42の小学校がありますが、うち、校舎があるのはわずか6つ。残りはすべて、青空教室です。また、上級学校はさらに2つしかなく、不足しています。
安全な水の不足は深刻です。女性は1日5-6回、水くみに近くの池、水たまりなどを往復します。それだけで、たいへんな重労働です。しかも、ギニア・ウォームの幼虫がたくさん潜んでおり、栄養失調の原因を作ります。学校にも水がないため、子どもたちが安心して授業を受けられません。
家も、トイレの普及率が10パーセントちょっとしかないため、伝染病が蔓延します。アンケートをとりますと、一週間に一度以上、下痢を併発する子どもが半分近くになります。
まずは私たちのプロジェクトでは、JENを通じて小学校への井戸とトイレの建設を行っています。これまで、Chabo!以外の寄付で4校が完成しました。今年はChabo!の寄付により、新たに3校の小学校に井戸とトイレができます。
しかし、外国のNGOが入ることによるさまざまな弊害もあります。ジュバでは、物価が高騰しています。もともと内陸国ですべて輸入に頼ることもありますが、例えば私たちが泊まったホテルはお湯のでないシャワーのホテルで一泊170ドルでした。北スーダンの首都、ハルツームでは、その五倍は広さのある立派なホテルで108ドルしかしません。ちょっとしたお昼を食べるにも、20ドルくらいかかります。
また、外国人が新しいものを作ると、現地の人たちも依存心が強くなり、寄付をしたものに対する感謝はもちろんあるのですが、さらに「これをしてほしい」「あれをしてほしい」ということで、行く先々で要望書ばかりを受け取ることになります。
南スーダンでは郡の知事、そして教育長とも面談をしました。北スーダンでは、日本大使からもいろいろと話をお伺いしました。一番驚いたのは、なんと、 2005年の停戦以来、日本からすスーダンには300億円もの支援が税金を使って行っているということでした。さらにこれにPKO(現在、スーダンには一万人がいます。うち、1/6は日本のお金です)予算や民間寄付などを合わせると、もっと大きな金額になるでしょう。
いま、水も、電気も、ガスも、通信も整っている東京に戻ってきて、当たり前のように受けている公共サービスに対しての感謝、そして、恵まれている日本に生まれたからこそ、世界の人たちに行わなければいけない使命は何なのか、順次考えていかなければいけないと強く感じました。
より詳しいレポートは毎日新聞などで連載を予定していますので、どうか、ご期待ください。
なお、今回の渡航費は私の分はすべて私の私的な費用から、フジテレビの分はフジの取材費から出ており、Chabo!の寄付金は一切使用していないことを明記します。