2008年11月21日 19:27 | パーマリンク | 1 Comments | 勝間 和代
11/10に日本を出発し、そこから関空、ドバイ、ナイロビと経由してそこで1泊。ようやく翌朝ナイロビから南スーダンの首都、ジュバに飛んで、12日の夕方にスーダンに入りました。
目的はChabo!の寄付の視察です。みなさんにスーダンの様子を幅広く知っていただきたいので、フジテレビのサキヨミのクルーにも同行してもらいました。11/30のサキヨミ内「アスヨミ」というコーナーで、放送予定です。
国際貢献とは何か、アフリカの貧困状態はどうなっているのか、内戦・戦争の影響、病気の恐ろしさなど、一通り、浴びるように関連書籍は読んでいったつもりですが、それでも、現実はそれをはるかに越えるものでした。
まず、21年間の内戦によって失われてしまった社会資本の大きさ。道がない、電気がない、水道がない、法律がない、税金徴収制度がない、郵便制度がない、通信設備がない、もう、すべて、ないないづくしです。他の国がなければそれでもいいのでしょうが、スーダンだけが立ち後れてしまっているため、国内に貧困が蔓延してしまいます。
当たり前に、裸足の子ども、腕が細くおなかが突き出た栄養失調の子どもたちが歩いています。100人の子どものうち、スーダン平均で7人が5歳までにコレラやマラリア、栄養失調で死亡します。私たちが支援をしているのは中央エカトリア州のラーニャ郡というところですが、42の小学校がありますが、うち、校舎があるのはわずか6つ。残りはすべて、青空教室です。また、上級学校はさらに2つしかなく、不足しています。
安全な水の不足は深刻です。女性は1日5-6回、水くみに近くの池、水たまりなどを往復します。それだけで、たいへんな重労働です。しかも、ギニア・ウォームの幼虫がたくさん潜んでおり、栄養失調の原因を作ります。学校にも水がないため、子どもたちが安心して授業を受けられません。
家も、トイレの普及率が10パーセントちょっとしかないため、伝染病が蔓延します。アンケートをとりますと、一週間に一度以上、下痢を併発する子どもが半分近くになります。
まずは私たちのプロジェクトでは、JENを通じて小学校への井戸とトイレの建設を行っています。これまで、Chabo!以外の寄付で4校が完成しました。今年はChabo!の寄付により、新たに3校の小学校に井戸とトイレができます。
しかし、外国のNGOが入ることによるさまざまな弊害もあります。ジュバでは、物価が高騰しています。もともと内陸国ですべて輸入に頼ることもありますが、例えば私たちが泊まったホテルはお湯のでないシャワーのホテルで一泊170ドルでした。北スーダンの首都、ハルツームでは、その五倍は広さのある立派なホテルで108ドルしかしません。ちょっとしたお昼を食べるにも、20ドルくらいかかります。
また、外国人が新しいものを作ると、現地の人たちも依存心が強くなり、寄付をしたものに対する感謝はもちろんあるのですが、さらに「これをしてほしい」「あれをしてほしい」ということで、行く先々で要望書ばかりを受け取ることになります。
南スーダンでは郡の知事、そして教育長とも面談をしました。北スーダンでは、日本大使からもいろいろと話をお伺いしました。一番驚いたのは、なんと、 2005年の停戦以来、日本からすスーダンには300億円もの支援が税金を使って行っているということでした。さらにこれにPKO(現在、スーダンには一万人がいます。うち、1/6は日本のお金です)予算や民間寄付などを合わせると、もっと大きな金額になるでしょう。
いま、水も、電気も、ガスも、通信も整っている東京に戻ってきて、当たり前のように受けている公共サービスに対しての感謝、そして、恵まれている日本に生まれたからこそ、世界の人たちに行わなければいけない使命は何なのか、順次考えていかなければいけないと強く感じました。
より詳しいレポートは毎日新聞などで連載を予定していますので、どうか、ご期待ください。
なお、今回の渡航費は私の分はすべて私の私的な費用から、フジテレビの分はフジの取材費から出ており、Chabo!の寄付金は一切使用していないことを明記します。
1 Comments
投稿者: hiro | 2008年12月14日 23:25
サキヨミLIVE見ました。
水って大切ですね。自衛隊に井戸掘り部隊を作って新人自衛官の研修も兼ねるNPO活動としてスーダンとかの水に困ってるところへ行って無償で掘るとか出来たらいいなと思いました。